庭に花が咲いてきた | バイカルアザラシのnicoチャンネル

バイカルアザラシのnicoチャンネル

 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 ラチスに這わしたつるチャールストンが咲いてきた。細い枝を長く張り巡らしてその先端にいくつもの花を咲かせる。こんなに咲かせたら本体が持たないほど花を咲かせる。本当は花を切って枝振りをしっかり成長させようと考えたけど、咲きたいのだったら咲かせてあげようと思う。葉っぱの影が濃い。それだけ今日の日差しはきつい。

 

 こちらは鉢植えの薔薇。あんまり綺麗だとは思えない。でも、いっぱい花を咲かせる。いっぱい増える。この薔薇、数で勝負しようとしているか。接ぎ木をしたらまた葉っぱが出てきた。

 

 神の園にある黄金の林檎を守るカンパニュラという女の子がいた。半分食べればどんな病気も治り、一個丸ごと食べると不老不死になるらしい。だから誰もがこの林檎をねらっている。ある日、泥棒がやって来てカンパニュラを殺した。花の女神フローラは彼女を哀れんで花にした。それがカンパニュラという花。花は小さくて目立たない。でも、マクロで撮ってみるとこんなに美しい。風が強くてうまく焦点が合わない。フローラが彼女を花にしたときもこんなに風が吹いていたのだろうか。風が強い日にはカンパニュラがよく目立つ。なぜなのだろうか。

 

 わすれな草も咲いている。ルドルフがドナウ川の岸辺を歩いていた。流れの中に美しい花があった。それを彼女にあげようとして流れにとりに行こうとした。流れは思ったよりも急で彼は流されてしまった。「forget-me-not!」彼は最後に叫んだ。「忘れないで」。女は終生わすれな草を髪に飾っていた。ヨーロッパ中世に伝わる悲話。

 

 新型コロナウイルスの非常事態宣言はいつ解除されるのだろうか。人は非常事態になると一定の行動をすることが分かっている。「育てる、作る、蓄える」三つの行動だ。人がこれまで300万年間、危機と対峙して培った遺伝子に組み込まれた一連の行動なのだ。ガーデニングが「育てる」ならそれはストレス対処への一つの表れなのだろう。「作る」と言えば、スーパーから強力粉がなくなった。人はストレスが強くなるとパンを焼きたくなる。ストレスベイカリーという。今、人はいろんな形で自粛と戦っているのだろう。そんなことは知らないで、今日も花は咲いている。風が強い。日差しが強い。