棚田の春 今、逆さ白猪山が見える | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 夕暮れは時間がゆっくり流れているように感じられます。櫛田川の向こう岸には伊勢三山の白猪山がそびえています。棚田には水が引かれて、白猪山が逆さに映っています。田植が終わった早苗はまだ小さくてしかも谷川の水が綺麗でないと棚田は鏡になりません。この時期しか見えないシンメトリーです。冬、葉っぱを落として向こう岸の街が透けて見えていたのに、今は新緑で隠されてしまいました。目をこらして見ると、鯉のぼりが泳いでいて、端午の節句が近いことが分かります。なんとも長閑な景色です。夕陽は西峯に傾いて、水面に映った太陽は昇ってきます。二つの太陽が刻々と近づいています。やがてお日様が山の端に消えると空も棚田の水もオレンジ色に染まりました。

 

 ピンク色の花は、ハルジオンです。誰が植えたわけでもないのに自然に生えています。白が一般的ですが、ピンク色もあります。原産地は北アメリカだから、誰かが種を持ってきたはず。でも、今は初めからここにあったかのように咲いています。

 

 シジミが野草で一休み。モンシロチョウの4分の1の大きさです。この蝶、アゲハチョウの仲間です。確かに大きくすればアゲハチョウそのもの。冬、卵や幼虫で寒さを凌いできたのが、5月の温かさにうかれて花から花へ飛び交います。