世界遺産熊野古道伊勢路 松本峠を越えて | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 つづらと峠、馬越峠を越えるとそこは尾鷲です。さらに熊野を目指します。ここはいったい日本なのでしょうか。あまりにも巨大な風景に圧倒されます。楯ヶ崎と呼ばれるように海から突き出た柱状節理が楯のように立ちはだかっています。

 
 熊野市に入りました。いよいよ松本峠を越えます。ここからは七里御浜が一望。峠を下りると20kmほどの海の道が南に続きます。もう新宮まで少し。心は熊野三山に思いをはせます。
 
 今夜の宿は湯の峰温泉。世界遺産のお風呂に入ります。つぼ湯は義理の父に毒をもられ瀕死の小栗判官がここで湯治すると49日目に蘇った聖地。
 
 地中から熱泉が湧き出ています。何も加えない何も引かない100%掛け流しです。ここは数万年前に火山活動が終結したのにその地熱が残っているのでしょうか。それとも太平洋プレートとユーラシアプレートとの地殻変動の熱がこの温泉を湧き出させているのでしょうか。いずれにしてもとてつもないエネルギーがここに終結しているように感じます。パワースポットというものは神仏の霊験もさながら、地球規模のエネルギーのゆらぎが集まったところなのでしょう。ひとはそれを感じ取り、人を越えた何かを恐れ敬まうようになったのかも知れません。
 
 狭い谷から湧き出た熱泉が岩の湯船から湧き出ています。
 
 湯船の横からは谷川のせせらぎの音が浴室に入ってきます。湯量の何と豊富なこと。梁塵秘抄に詠われた「広大慈悲の路ならば、どちらも遠からじ」というのは本当だとここに来て気づかされます。今回は紀路ではなく伊勢路を旅しましたが、峠を越えるごとに海が見えます。眼下の街々には海の幸山の幸が満載。そして、必ず温泉があります。つづらと峠を下りれば大里温泉が、馬越峠を下りれば尾鷲の深層水に浸れ、熊野に着けばそこは三山の一つ湯の峰温泉が待っています。自然豊かな風景、豊かな食材、特色ある温泉を楽しむことができます。