和歌山県田辺市本宮にある湯峰温泉は、近畿の温泉では泉質・風情とも最高峰です。中でも谷川の中にあるつぼ湯は、ワイルドそのもの。小栗判官は、照手姫の父親から毒を盛られ、瀕死の体でこの湯峰温泉に49日、入ると蘇生したと言います。入ってみると、壺みたいな形に谷川の岩が掘られ、そこから熱いお湯が湧いています。源泉掛け流しと言うよりも、自然そのものが温泉になっています。
隣には、96℃の源泉が岩から吹き出出います。谷川に足を入れれば、そのまま足湯になります。湯筒には、温泉卵ができています。ここだと自炊するのに火は要りません。全部、湯筒で煮炊きができます。
あづま屋は、お忍びで皇室も泊まられるという老舗旅館です。まあ、サラブレッドには関係ない世界です。いつもは駐車場で車を止めて仮眠しています。いったいどんなお風呂なんでしょうね。
ここは公衆浴場の薬湯です。だれもいないかと思って入ったら、おじさんがいて「あんた、どこから来たんや?」と言われて、いろいろ話していると、温泉の話になりました。どうも紀伊半島の温泉を130以上制覇したとか。そのなかで泉質が一番いいのは、この湯峰温泉だそうで。半時間以上温泉の講義を聴かされました。ここの温泉、かなり熱いんですけど。湯船に入っていたら、ふらふらになりました。ということで、言いたいことを言ったら、温泉博士、さっさと脱衣場に出て行きました。ここの浴場、源泉がちょろちょろ出ていて、その音が風情があります。ひなびた温泉って感じです。
世界遺産のお風呂って、そんなにないと思います。ユネスコの指定を受けなくても、湯峰温泉は、相撲界で言えば、横綱です。泉質・風情ともいうことなし。