日本百名山 開聞岳に登ってみた! | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 日本百名山の開聞岳に登りに来ました。鹿児島県薩摩半島の南端に端正な三角形の山が茶園の広がる遙か向こうに姿を現しました。これが開聞岳なのですね。

 

 前日、お宿から見た開聞岳は、太平洋の黒潮が流れる鼻の傍にありました。ここから見ると海面から突き出ているように見えます。それもそう、ここは火山活動でできた地形なのですから。こんなに左右均等なのは本当に不思議です。

 

 実際に登ってみると、大変でした。標高が924mなので、油断していました。よく考えれば、海面近くから登るのですから、山自体が低くても標高差はかなりのものです。春霞で見通しは今ひとつです。

 

 コンピューターグラフィックスで描いてみれば、こんな感じで見えるのでしょうね。

 

 今日、登ったルートです。山腹を一周しながら登ってるのですね。断面図はこんな感じで、番所鼻から見た景色と同じです。行きは2時間50分程、帰りは2時間半で帰りました。

 

 山頂はこんな感じです。池田湖が見えます。春霞がなかったら、どんな風景が広がっているのでしょう。

 

 遠くの島々まで見渡せそうです。でも、春霞もいいかも。そのとき、そのときの季節を表しているから。

 

 こうして見ていると、日本は火山活動でできているのだと思いました。見渡す限り溶岩と岩でできています。隆起すれば山となり、陥没すれば湖となる。山は緑となり、湖は青くなります。その上に私たちは住まわせていただいててるのでしょう。そこへ黒潮が海岸線を浸食し、潮だまりにはいっぱい魚たちや貝たちが息づいています。溶岩が生々しく残る荒々しい地形は、地球の歴史から見たらまだ青年期です。

 

 この山の近くには、太平洋戦争中に特攻隊が出撃した知覧飛行場があります。記念館で一通の遺書を見つけました。昭和20年3月28日、「ただあなたを守るためにのみ往く」と書いてありました。折しもその日は、平成28年3月28日、その日から71年前の今日です。これを書いた特攻隊員は、特攻機から開聞岳をどのように見たのでしょう。

 

 特攻機を見送った開聞岳も青年期を迎えた山でした。見送られた隊員も青年。今は静かに山が残っています。そして、彼が書いた遺書が今も出撃した今日の想いを時間を止めてそのまま残っています。