伊勢志摩サミット下見 | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 五月に伊勢志摩サミットが行われるので、下見に行ってきました。会場の志摩観光ホテルはクラッシックの棟が改装中のようです。今はベイスイートの棟が営業しています。ここにメルクルさんや小浜さんがやってくるのでしょうか。


 御座白浜には奇岩があります。これは地中深くで溶岩がゆっくりと冷え固まり、結晶化した物なのでしょう。紀伊半島の南の海岸には、同じ方向に突き出た奇岩があります。これが黒潮の荒波で磨かれてこんなに美しく露出しています。



 白浜を歩くと、砂がキュッキュッと音を立てます。もう少し乾いていたら泣き砂になるのかもしれません。それほど美しい砂です。波が残したのは、白や薄紅の貝殻です。巻き貝からは潮騒の音が聞こえてきそうな趣。



 ウミウが一羽突端の岩にたってきょろきょろと獲物を狙っています。寒風にさらされて何も捕れていません。このままだと今日は獲物にありつけないのかも。今日の伊勢の海は、海鳥たちにとっては、試練の日々なのでしょう。

 

 安乗崎には何もありません。鯨崎から寒い風が吹いてきます。その風が波を立てて岬の岸壁にたたきつけます。細々とした岬は今日も荒波に削られて、また細くなっています。


 灯台の下の絶壁には、これでもか、これでもかと荒波が押し寄せて、白い波頭を立てています。岸壁からはドドンと大きな音がこだましてきます。鉛色の冬の空は重く垂れ込めて、なんとも陰鬱な気持ちにさせます。厳冬期、山は眠り、山は凍ります。海は、何と言えばいいのでしょう。海の激しい怒りに耐え、空の激しい風に耐え、ひたすら岬は春を待ちます。

 そういえば、岬には水仙や菜の花が咲いています。今日の安乗岬は、冬が勝ち。冬と春のせめぎ合いは、圧倒的に冬の勝ちです。でも、まもなく冬と春のせめぎ合いがここにも始まり、やがて春が勝利していくのでしょう。春の神のお出ましは、いまもう少し後です。