交響曲第五番合唱付 | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 
 この人は誰でしょう?何かにらみつけているようで暗い真剣な表情ですね。

 
 この人は、交響曲第五番を作ったベートーベンさんです。ベートーベンは、晩年耳が聞こえにくくなっていきました。音楽家として耳が聞こえなくなるのは大変なことでした。彼は失意のどん底で交響曲を作っていました。

 
 それが交響曲第五番合唱付です。当時交響曲に合唱をつけるのは画期的なことでした。合唱の中で、「苦しみを超えて歓喜へ」と歌うところがあります。音楽家として耳が聞こえなくなる苦悩を通って、最高の喜びに至る。彼はそんな世界を構築しました。

 
 この曲が初演された頃、彼の耳はほとんど聞こえなくなっていました。彼は式壇に立ちました。ベートーベンはタクトを振りましたが、実際にオーケストラを指揮したのは別の助演指揮者です。演奏が終わり、助演指揮者は彼に観客に振り向くようにサインを送りました。ベートーベンは観客の方を向きしまた。満場の観客は拍手をしています。大きな拍手の音さえ彼の耳には届いていませんでした。拍手はいつまでも鳴り終わりません。「苦しみを通って、歓喜へ」彼の苦しみの極みは、歓喜への極みと変わっていました。

 今年も合唱が全国各地で演奏されるでしょう。合唱聞いたら、「苦しみを通って歓喜へ」って言葉、思い出してくださいね。