もちろん、同じ「プロ」のなかでも、常にグランドスラムの上位を争う選手もいれば、予選敗退の選手もいる。
かといって、予選敗退の選手は弱いんだから「中級」か、と言われると、それはさすがに。。。。
そんなことをすれば、世間一般のテニス愛好家たちは、すべて初級になってしまいます。
となれば、世間一般のテニス愛好家たちの、安っぽいプライドを守るためにも(笑)、「上級者」の定義は、かなり幅があることにしないといけないわけです。
ここなんです。
下部のプロツアーとはいえ、ITFワールドツアーに出られるような選手たちも、まあ、上級者と言えますよね?
じゃあ、国体やインカレ、インターハイは?って考えていくと、結構、色んな人が「上級」って言ってもいい感じに見える(笑)。
僕は絶対、県のトップクラスの高校生に勝てる気はしませんから。
そして、ここが今回の本題なのですが、ここまで「上級」の幅が広い、ということは、参考にならない「上級」もかなりいる、ということです。
その「上級者」のフォームが、自分に合う合わない、というだけでなく、明らかに理にかなっていないにも関わらず、「再現性」が高く、競技歴が非常に長いために「対応力(別名『ごまかし力』)」も異常に高いために、試合で勝ち上がってしまう人たちが。
だからこそ、よく、
「選手として実績を残したからと言って、いい指導者とは限らない」
と言われてしまうわけです。
まあ、選手としての実績がない僕にとっては小気味いい言葉なのですが(笑)、いまだにインターネットを見ていたり、地域のイベントに駆り出されたりすると、
「うちのコーチは、○○大会で優勝した」
とか、
「インターハイで全国3位になったらしい」
ということを、なぜか自分自身のステータスだと勘違いしている受講者・生徒さんも結構います。
それはやはり「上級者っていうのは驚くほど幅が広いんだ。上には上がいるんだ」というのがわかっていないからこそ生じる「バイアス」なのだと思います。
実際に「上手いかどうか」の基準が人によって異なるため、「結果・実績」でしか判断できないのは分かりますが、それが「バイアス」となってしまうと「そのフォーム、ほんとに目指してるの?」シリーズでお話した「劣化版」のような状態になってしまいます。
僕が考える上級者は、次のような人たちです。
○ プロネーションをしっかり使ったサーブを打てる上に、フラット、トップスピン、スライスを左右に打ち分けることができ、1st、2ndでのフォームに大きな差異がない。
○ ストロークにおいて、ベースライン上から、フルスウィングのショットでウィナーを狙って取ることができる。
○ オープン・スタンス、スクエア・スタンスの軸の作り方が合理的で、中途半端な独自理論でこじらせたものになっていない。
○ ダブルスのゲーム前の練習で、ボレー&ストローク、スマッシュ&ストロークが滞りなく行える
○ ボレーをワングリップで打つことができ、バックハンドもシングルハンドでボレーできる。
○ バックハンドスライスがクロスにもストレートにも打てる。
○ サービスラインぐらいまでなら、スマッシュを打てる
○ 相手のめっちゃ速いサーブも、ブロックリターンで返すことができる
○ ローボレー、ハーフボレーを難なく打てる
○ ベールライン上でのストロークにおいて、ライジングで軽く返すことができる
思いつくままに書きましたが、これぐらいでしょうか?
僕の周りにいる「上級者」の人たちの特徴というか、最低条件というか。
皆さんはどうですか?
「上級者求む」のマッチングに、手を挙げますか?(笑)