今回の話題は、こちら。
 
 
 自称テニスコーチの、今は無き「追加コメント」機能での発言が次の通り。
 
「BA中に間違いがあります。
 
 サービスの腕は、伸ばそうとしなければ伸びません。自然に伸びることは有り得ないのです
 
 とありますが、これも大きな間違いです。
 
 やっぱり、というべきか──この人、おそらく「遠心力」という言葉さえ知らないんじゃないか、っていうぐらいの無知さが情けない。
 
 たとえば、ラケットの重さを「290g」、肩からラケットの重心までの長さを「90cm」として、ラケットスピードをプロのトップクラスの「200km/h」としましょう。
 
 このときの、ラケットに生じる遠心力、どれだけかお分かりでしょうか?
 
 なんと、「100kg重」にもなるんです。
 
 もちろん、トップスピードになった瞬間だけ、のことではありますし、多くの場合、それぐらいのサーブを打つプレイヤーは、打つ瞬間にジャンプをして勢いが相殺されているから、腕がもげるようなことはありませんが(笑)。
 
 でも、100kg重の荷重がかかれば、腕ぐらい、伸ばそうとしなくても伸びるでしょ?(笑)
 
 実はこれ、僕が一番最初、この某回答者とぶつかったときも、同じこと言われたんですよね。
 
 正直、当時は、何を言ってるんだかわけがわからなかったんです。
 
 ラケットが上方向に向いていることそのものを、えらく気にしてるから(笑)。
 
「は?何わけの分からんこと話してんの?」
 
 って思ってた(笑)
 
 これで分かりました。
 
 遠心力というモノの強さを、全く理解していない証拠だ、ということが。
 
 普段から、どんだけ遅いサーブを打ってるんだと(笑)
 
 実際のサーブは、肘の関節、回旋運動、回内運動を連動させて打っているので、上の計算がそのまま当てはまるわけではありません。
 
 ただ、肘から先の運動を加味するとすると、ちょっと大変。
 
 円運動は、回転半径が小さくなった上で接点速度を上げようとすると、逆に遠心力が強くなるからです。
 
 ハンマー投げのワイヤーがもしも短ければ、もっと速く回転しなければ遠くに飛ばないのと同じ原理です。
 
 アマチュアでは200km/hのサーブはなかなか打てませんから、たとえば150km/hのサーブだとしても、60kg重近くの加重が片手にかかることになりますから、それでも十分。
 
 スピンサーブやスライスサーブのように、ラケットの軌道に横方向の力を加えている場合には、遠心力が斜めにかかりますから、腕からラケットまでの角度を保てることができますが、フルスウィングのフラットサーブの場合には、腕が伸びることは十分あるわけです。
 
 こういう計算、したことないんだろうなぁ。
 
 いや、普通しないんですよ?こんな計算。
 
 でも、計算しない「普通の人」は、知ったかぶりをしないですからね(笑)