今ある「めんどくせぇぞーーーー!」シリーズの一部を、読みやすい記事に随時更新して、再投稿したいと思っています。 
 
 旧シリーズは、読んでいると、僕の悪意がにじみ出すぎていて、気分が悪くなるかもしれませんから(笑)。
 
 それでもまだ、僕の「意地悪さ」全開のページにもなっておりますので、嫌いにならないでください(笑)。
 
 参考文献で、「スポーツ心理の法則」をご紹介したのは、ある知恵袋の記事を紹介するためのものです。
 
 その元ネタが、これ。
 
 
「自称」コーチの某回答者が、かつてヤフー知恵袋にあった、悪名高い「追加コメント」機能で書いたことについてです。
 
 今では「追加コメント」というとんでもない機能は無くなっていますので、コピペしておいてものを紹介しておきたいと思います。
 
 某回答者は、追加コメントでこう書いていました。
 
「BAの方は、緊張と考えることを混同されているような気がします。
 
 色々な問題が多いBAですがまず、緊張しても問題ない・は、スポーツの常識からすると大変非常識」
 
 この意見の方が、全くの非常識です。
 
 スポーツ心理学を全く勉強してこなかった証拠です。
 
 1つのパフォーマンスを実施するときの「緊張度合い」や「テンション」と呼ばれるモノを、「覚醒水準」というふうに言います。
 
 一般的に言う「緊張している」状態は、この覚醒水準が「高い」というふうに使います。
 
 ただ、それは一般的な言い方であって、心理学上は「緊張しすぎ」ということなんです。
 
 逆に、覚醒水準が「低い」という状態もあり、それは意欲が低下していたり、他のことに気が行ったりしている状態のことを言います。
 
 緊張感がない、というやつですね。
 
 パフォーマンスやプレイのことを「作業内容」ともいうそうなんですが、この作業内容は、覚醒水準に大きく影響を受けます。
 
 つまり、その人の作業内容の効率を最も高める「覚醒水準」がある、ということ。
 
 いわゆる「適度な緊張」というやつが人にはあるわけです。
 
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 BAとなったTennis_one_shopさん(以降Tさん)の文章も、明らかにそういう書き方になっています
 
 ですから、これに文句をつけているということは、以前にも言ったように、読解力がないことをさらけ出しているか、スポーツ心理学の基本が分かっていないか、のどちらか、ということになる。
 
 この某回答者がたまに使う「常識」を、みんなが否定しているのに「常識」と言い張っている根性がすごいですが(笑)。
 
 ちなみに、この覚醒水準にはもちろん個人差があります。
 
 同じ状況でも覚醒水準が高い人も低い人もいる。
 
 さらに、同じ覚醒水準でも、それが「適度な緊張」になる人とそうでない人がいますので、注意してください。
 
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 だからこそ、メンタル・トレーニングは、普通のトレーニングと同様、個別の対応が必要なんです。
 

 
 さらに、次の文章です。
 
「自動的に体が動く・・も何か異様な違和感があります。
 
 練習では常に考えながら、ミスを減らす修正をするべきで、それで上達します。
 
 当然、試合中も行うべきで、ボールを見たから上手く打てることは無いですね。
 
 プロもミスをすればすぐに素振りでチェックします。常に自分の状態を把握することが大事」
 
 とありますが、これも大きな間違いです。
 
 これはスポーツ心理学だけでなく、いろいろなコーチング理論にも書かれているのですが、プレイヤーに大事なのは「自動化」と呼ばれるもので、プレイ自体は、体が自然と動き、状況把握や戦術などに注意集中を傾けることが大切だとされています。
 
 つまり、
 
「トップスピンでリターンを返そう」
 
 と思うことと、
 
「トップスピンでリターンを返すために、まずは、ラケットヘッドを落として。。。」
 
 と考えることとは全く次元が違う、ということです。
 
 その自動化ができるようにするための、「考えながら」の練習であるべき、というのがスポーツ・コーチングの基本で、だからこそ、ただただ繰り返す反復練習が有効であることも確かで、いわゆる「しごき」がまかり通ってしまう原因ともなるんです。
 
 おそらくTさんは、そこらへんを分かった上で、
 
「ボールの縫い目と文字を見てください」
 
 とおっしゃっている。
 
 自動化した動きでプレイをするには、プレイの瞬間には、「外的で狭い」注意集中をすることが何よりも大切だからです(注意集中に関しては、今度機会があればご説明します)
 
 プロが素振りをするのは、だからこそ「プレイとプレイの間」なんです。
 
 小脳での動きの記憶を呼び起こすには、体を一度イメージ通りに動かすことが大切であるからであって、プレー中にものを「考えて」いることとは、全くの無関係なんです。
 
 普段から、極度の緊張を強いられるような試合を経験していないと、こういうことが分からない。
 
 自分のこれまでの「感覚」とか、科学的検証のない「経験」だけで話してしまう。
 
 テニスコーチを自称している某回答者が、これまでどれだけの数、どういうレベルの大会などに参加されたかは分かりませんが、そういう「極度の緊張の中でテニスをした」経験が少ないんじゃないでしょうか?
 
 かなりの高レベルの大会に何回もチャレンジしていて、それでもそういう追加コメントをしているんなら、それはそれで、びっくりですけれど(笑)。
 
 今後、こういうメンタルの話も(盗作とか著作権違反にならない範囲で)していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。