タバタ式トレーニングの考案者である田畑さんの研究では、20秒運動+10秒休憩を1セットとして計8セット合計4分を1回として、この1回で疲労困憊するような強度、とのことです。
具体的には6セット目には最大心拍数(成人の場合:220-実年齢)の9割になるような強度で最大の効果があり、7割以上になれば効果が見られるそうです。
それならば週2回でも、最大酸素摂取量の向上(心配持久力の向上)に十分な効果が得られる、という研究結果です。
まあ、実際には、この「疲労困憊」というのが難しい(笑)。
うちのチームは1回でそこまでは追い込めないので、しかたなく(笑)、2回やるときはあります。
これはあくまでも「メンタル」の問題です(笑)。
1回目だと「乗りきらない」まま終わってしまうときがあるので仕方なく(笑)。
そのかわり、といってはなんですが、練習の最後にやることで「出し切る」意識を持たせるようにはしています。
何回もやる、ってことはしません。
そうすると、どうしても生徒は「回数をこなす」ために、体力を温存しようとしてしまうからです。
そして、同じ「疲労困憊」でも、できるだけ全身を使ったものが良いようで、それこそバーピーとかスクワットジャンプのようなものがよい。
たとえば、腕立て伏せ(プッシュアップ)を20秒間やって疲労困憊になっても、最大酸素摂取量の向上には寄与しにくいのです。
時間内に「全力」であれば大丈夫なので、たとえば1セット目に15回できたけど、4セット目には10回しかできなかった、というのでも大丈夫。
最後まで15回できるように、最初のセットで手を抜くほうが意味が無い。
またこの「回数」も個人によって「全力」が異なりますから、他人と比べないことが重要です。
よくYouTubeなどで「HIIT」のトレーニングとして、15分間とか20分間、という「長時間」を売りにしているものがあります。
1回でのカロリー消費量が確かに増えるので、ダイエットにはいいかもしれませんが、スポーツトレーニングとしてやるときには、意味が無いかも知れない、ということです。
これは考案者の田畑先生もおっしゃっていますが、タバタ式トレーニングそのものの消費カロリー量というのは実はそれほど高くありません。
「疲れる」=「消費カロリーが多い」というわけではありませんからね。
もともと、スピードスケートのトレーニングを分析した結果生まれたもので、目的は最大酸素摂取量の向上、いわゆる心肺持久力の向上を目的としたトレーニングだからです。
あくまでも「スポーツトレーニング」としてHIITを行う、という目的を忘れなければ、長時間ずーっとHIITを続けるなんてことに意味が無くなります。
まあ、実際には、うちのチームでは、生徒に、
「これをやると痩せる!」
という「実益」をちらつかせて騙していますが(笑)、コーチとしての僕の目的は運動能力の向上です。
どんなトレーニングも、何を目的にやるのか、ということが重要なのだ、と思います。
【次回へ続く】