難しいのは背筋の鍛え方です。

 

 いわゆる「広背筋」や「大円筋」は、どうしてもバーベルなどの道具が必要なメニューが多く、自重では鍛えにくい、と言われます。

 

 もともと大きな筋肉ですし、大きな負荷をかけないとなかなか鍛えることができません。

 

 また、生理学上、いわゆる「懸垂」のような動きや、小島よしおの「そんなの関係ねぇ」のときには使うですが、そのほかの場合には肩の筋肉などの補助的な役割が大きく、もちろん鍛えられるに越したことはないのですが、うちのチームでのトレーニングとしては優先順位としては低くなってしまいます

 

 たぶん、トッププレイヤーやトレーニング器具がそろっている強豪校であれば、しっかりと鍛えるところでしょうが。。。(笑)。

 

 よく入部したばかりの生徒に、

 

「背筋運動しろ」

 

 というと、大抵、ただの「上体そらし」をやるだけになります。

 

 

 ただ、イラストのような運動では「脊柱起立筋」が鍛えられるだけで、広背筋などはあまり強く鍛えられない。

 

 また人に足を押さえてもらうと、大臀筋などを使ってしまうので、効果も薄くなります。

 

 同じく脊柱起立筋を鍛えたいなら、少し動きを入れたスタビライゼーションのほうが効果が高いですし、スポーツトレーニングとしての目的も果たせると思います。

 

 YouTubeなどで「背筋 自重」と検索すると、山ほど出てきます。

 

 うちのチームでは、一緒に腕を動かして、広背筋も同時にトレーニングできるよう、

 

 

 

 

 このようなやり方の方を取り入れています。

 

 ポイントは大きく脇を開け、ヒジを張るようにして、上体を反らすということです。

 

「僧帽筋」は肩甲骨を大きく動かすのに役立つ筋肉で、オーバーハンドの動き(サーブやスマッシュ)に影響を与える筋肉でもあるので、できれば鍛えたいところです。

 

 広背筋などに比べるとまだ鍛えやすいと思います。

 

 重量の重いダンベルさえあれば、ショルダースラッグが効果的ですし、

 

 

 

 重量の軽いフロントレイズでも、

 

 

 

 

 動画よりももう少しだけ両手を広げて(40度ぐらい)、あえて肩をすぼめるように行うと、僧帽筋に効いてきます。

 

 ただ、僧帽筋を鍛えると、どうしても首回りが太く見えたりするので(笑)、見た目を気にする方なんかは、肩甲骨周りの柔軟性を重視しながら、重めのバーベルでショルダースラッグやフロントレイズを行い、大きく速く(わずかに反動をつけてもいいので)上げ下げする、というふうにして行うと、筋肥大は最小限にして、テニスに必要な機能は向上できると思います。

 

【次回へ続く】