まずは、この動画を見てください。

 

 

 うちのチームでもよくやるメニューなのですが、僕が気になるのは最初の左側の選手のフットワークです。

 

 途中、右足で連続で地面を蹴る──いわゆる「ケンケン」みたいになる瞬間があるの、分かりますか?

 

 僕が指導者なら、これを注意します。

 

 コーンを回るときに、そういうフットワークをさせたくて、このメニューを考えてるわけではないはずだからです。

 

 最初右で打っていた人も、左に行くと同じような足の運びになるので(笑)、左の人だけのものではなさそうです。

 

 こういう、小回り系のフットワークをすると、どうしても、踏ん張りの効くほうの足でより多く地面を捉えようとして、「ケンケン」をしたくなるのだと思います。

 

 それは利き足であったり、拇指球で踏み込める側の足だったりします。

 

 ただ、これは僕の経験上のことでしかないのですが、動画のようなコーンなどを軸にターン移動しながら打つメニューのときに、こういう「ケンケン」を入れることで、ターンを省エネ化しようとする選手は、多くの場合、フットワークに難がある。

 

 いろんな場面で、間に合わなかったり、逆を突かれたりする場合が多いのです。

 

 利き足や拇指球の「踏み込み」だけに頼る選手は、特に走り出しの1歩目を外側の足からスタートしてしまいがちです。

 

「フットワークの原理 その4」でもお話したことがありますが、横移動のときの1歩目は、移動方向の足を踏み出すことになります。

 

 移動方向とは反対の足を外側に踏み出す「オポジット・フット」っというものを踏むことはよくありますが、この「ケンケン」をする人の多くは、最初の1歩から、クロスステップにしてしまったり、サイドステップにしてしまったりすることが多い。

 

 おそらく、重心や軸の移動がスムーズにできないために起こるのではないかと推測しているのですが、この系統の人は、後ろに下がって打つときにも「ケンケン」を入れたがる人がいるので、すぐに分かります。

 

 こういう練習のときにこそ、自分の「クセ」を見つけやすくなります。

 

 通常のラリーなどでは、ボールが予想外のところに飛んでくることが当たり前ですから、どうしても「たまたま」だとか「仕方がない」と思ってしまいがちだからです。

 

 普段の練習では「予定調和」がありすぎる練習は好ましくないのですが、逆に「予定調和」の高い練習だからこそ、フォームを修正したり、フットワークを体にしみこませることができるのも、いいところです。

 

 みなさんもぜひ、試合だけでは無くて、こういう連続的で単調なストロークやボレー練習も、ぜひビデオなどで撮影してみてください。

 

 自分1人だと分かりにくいので、グループやペアで撮り比べてみると、面白いと思いますよ。