ご紹介するのはこの本です。

 
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「セイバーメトリクスの落とし穴
  ~マネー・ボールを越える野球論~」
 
 お股ニキ 著
 光文社新書
 
 非常に面白い本でした。
 
 もともと「マネー・ボール」は読んだことがあったので、ちょくちょくセイバーメトリクス関係の本も読んでいたのですが、非常に面白い内容でした。
 
 ダルビッシュ選手のツイッターを見ていたときに紹介されていたもので、素人でありながらツイッターを通して、ダルビッシュ選手と交流を持ち、アドバイスまで送っているという(!) お股ニキという方の野球論をまとめたものです。
 
 以前「ストロークでのスタンスの使い分け 補足の補足」で、正面から見たときに、右足と左足がクロスするような打ち方の原因のなかでの「やっちゃいけないパターン」として、次のようにお話したことがあります。
 
 野球のバッティングでも、読売ジャイアンツの村田選手などが調子の悪いとき、こういう足の使い方をしてしまいます。
 
 右に押っつけようとするバッティングを意識してやりすぎると、腰の回転を無意識に止めてしまうため、こういう状態になる。
 
 そうすると上半身に頼ったスウィングしかできなくなります。
 
 だからこそよく「センター方向に打ち返すバッティングが基本」と言われるわけです。
 
 村田選手なんかは、強引に引っ張るぐらいのバッティングしちゃえばバンバン打てるのに、って思いますけど(笑)。
 
 本の中に、右の大砲が現れにくい原因なども書かれていて、すごく腑に落ちました。
 
 村田選手も「右打ちが上手い」ってもてはやされて、逆に自分が意識し過ぎちゃって、フォームがぐちゃぐちゃになってたのかも知れませんね。
 
 手首の返しを制限するように、手首にテーピングをグルグル巻きにしてたぐらいですから。
 
 また、長野選手(当時巨人、現広島)について、ツイッターで、
 
 長野、こんだけバカの一つ覚えのように外角攻めされて、それでも対策とれないって……
 
 と、つぶやいたことがあります。
 
 これについても、本書で書かれていて納得でした。
 
 本書を読んでいて感じる本質は、バイアスがかかった極端な戦術や理論はやめましょうよ、ということだと思うのです。
 
 だからこそ、データでは表せない部分についても筆者の考えが述べられているのですが、本書に否定的なAmazonのレビューなどでは、それら全てに「エビデンスを示せ」というようなことが書かれているものもあるので、気にする必要はないと思います。
 
 是非、皆さんも読んでみてください。
 
 テニスでも、こういう本が出てくれるとうれしいのになぁ。