それでは一旦視点を変えて、相手がネットに詰めてきたときにはどうしたらよいか、考えてみましょう。
うちのチームでは、まず最低限のショットして「『強く・低く』か『大きなロブ』」と言っています。
初・中級者がやってしまいがちなのは、ネットプレイヤーのここらへんを狙ってパッシングを打ってしまうことです。

ポイントは「中途半端な高さ」です。
相手は両手でラケットを持って構えますから、図で示した部分は一見「オープンスペース」のように見えるのですが、その実、相手プレイヤーが手を伸ばし、踏み込みさえすれば強いボレーが打ててしまうところなのです。
が、相手の強いアプローチショットや、ネットに詰められた、という事実によって焦ってしまうと、どうしても目先の「広く空いているところ」に打とうとしてしまいます。
うちのチームではこれを絶対させないようにします。
強く、低く。
その代わり、方向は、細かく言いません。
セオリーで言えばストレート方向へのパッシングショット(ダウン・ザ・ライン)をメインとして、相手がそちらに意識があるときに、クロス方向にショートクロスを打つ、というものでしょうが、そんなショットを打ち分ける高等技術も、相手の心理を見抜く判断力も、高校生には難しい。
だからこそ、低さと強さだけに集中させた方がうまくいきます。
パッシングロブは、その強く低いショットが打てないときと、相手がオーバーヘッド系のプレイが苦手なとき。
「大きなロブ」とは言っても、これは高さよりも「頂点の深さ」を重視させますので、結果、バックアウトになっても仕方が無い。
1m50~60cmぐらいの相手に、4mも5mも高いロブを挙げる必要はないことは、常に日頃のストローク練習で言い続けます。
「その16」でお話ししましたが、高いボールに対しての判断ができない選手も多く、相手プレイヤーの頭上で頂点を迎えさえすれば、多少低くても、強いスマッシュは打てません。
ハイボレーで返された方がよほどこちらとしては困るのに、強引にスマッシュを狙ってミスをしてくれる、ってこともあります。
深さのほうが重要なのだ、と思ってください。
ただし、それでも、ロブはリスクを伴います。
基本はあくまでも「低く、強く」で、しかたなく「大きなロブ」という組み合わせです。
また、相手によっては、
「サイドアウトするぐらいなら、相手のボディーに強く打ち込め」
というときがあります。
本来、パッシングショットは、相手の守備範囲のわずかな隙間を狙って、文字通り「Pass」させることが目的なのですが、それを狙いすぎてサイドアウトを連発していては意味がありません。
女子高校生ぐらいのレベルであれば、ボレーミスに賭けた方が、確率が高い場合もあるのです。
もちろん、相手が全国レベルの選手、というときには逆にサイドアウトしてもかまわないぐらい、ピンポイントでコーナーを狙わせますが。
少なくとも、入れることを意識しすぎて、見た目上の「オープンスペース」に、安易に打ち込んではいけないのだ、ということだけは覚えておいてください。
【次回へ続く】