さて、ここで、ネットプレイの理想的な形を。
 
 それがこれです。
 
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 つまり、相手をコート外に追いやるようなアプローチショット、そしてそこからのボレーです。
 
 これは「その21」でお話した「コーナーにいる相手に対するボレー」とは根本的に異なります
 
 それはストレート方向(図の左側)のパッシングの確率が格段に落ちることです。
 
 その原因は「長さ」です。
 
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 お分かりでしょうか?
 
 コート内から打てた場合、ストレート方向へのパッシングは、極論をすれば、ネットを越えてからエンドラインまで、どこで落ちても良かったわけです。
 
 ですが、少しでもコートの外からパッシングショットを打つ場合、ピンポイントにコートの隅を狙ったものであればあるほど、方向だけでなく、長さもピンポイントに合わせなければならない
 
 かといって、長さにある程度の「幅」を持たせようと──許容範囲を増やそうとコートの内側を狙えば、即、ボレーの守備範囲に入ってしまいます
 
 フェデラーやナダルのように、ポールを回り込んで入ってくるようなカーブをかけたショットなんか、アマチュアなら10本に1本も入ればいいほう(笑)。
 
 プロの場合にはコートにシングルス用のポールの穴があり、そこのポールを立てることもありますが、国内のアマチュアの大会では稀。
 
 通常はシングルス・ポールを立てて終わりですので、既存のポールはダブルス用です。
 
 そこから回り込みショットを打つような場面そのものが少ないですしね(笑)。
 
  そういう、プロが実践してもYouTubeで紹介されるような高等技術が必要な打開策を「戦術」とは呼べない(笑)
 
 だからこそ、ボレーヤーはこの状況を目指すのです。
 
 そして、なおのこと、うちのチームでは「アプローチ・エリア」からのショットでは、サイドラインを割って外に逃げていくようなアングルショットを、丁寧に打たせるのです。
 
 それほど強いショットで無くても、相手が大きく外に出るだけでストレート方向のパッシングショットに、方向性も距離感も精密なコントロールを強いることができるからです。
 
 ショートクロス側のパッシングも、相手にとっては打ちにくくなります。
 
 ボレーヤーが「三角形の頂角の二等分線上」というポジショニングの原則を外せるからです。
 
 先ほども言ったように、相手にとっては、ストレート方向のパッシングショットが打ちにくくなる。
 
 となれば、ポジショニングとして、そのストレート方向の守備範囲を狭くして、クロス側に偏ったポジショニングができ、ショートクロスにも十分対応できてしまうのです。
 
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 感覚的には、相手のボールからコート隅を結んだ一番外側のラインから、ボレーヤーが届くまでの範囲の中間ぐらいを現実的な外側のラインにできるからです。
 
 実際、クロス方向のほうが距離が遠いことで、強いトップスピンでショートクロスを打ってくることもあるので、こういうポジショニングのほうが安全になります。
 
 もしくは、敢えて原則通りに二等分線上に立ったうえで、完全にショートクロスにヤマを張る、ということもできます。
 
 なんせストレート方向に飛んできたショットで、入る確率が高いものは、いわゆる「甘い」ショットのはずなのですから。
 
 そしてこのポジショニングができたときに一番大きいのは、相手がこれだけコートの外側に出てくれると、オープンコートがかなり広くなることです。
 
 多少ボレーが遅くても、それほど角度をつけなくても、下手をしたらミスショットであっても入ってくれさえしたら取られない(笑)。
 
 その精神的な余裕で、かえってミスを減らしてくれるのです。
 
【次回へ続く】