前回のような、「前衛アタック」+「パッシング」+「ショートクロス」というオプションを繰り返すと、相手後衛がアンダーサーブを止めたり、ファーストサーブをゆるく打つようにしたりしてくれます。
しかし、相手後衛がそういう対応をする前に、相手前衛のほうがその場しのぎの対策を取ってくるときがあります。
1つは、相手前衛がその前衛アタックを少しでもとれるようにと、ちょっとだけ下がること。
実は、こちらとしてはありがたい(笑)。
これも以前「ショットが短くなったとき その4」で、味方後衛のショットが短くなったとしても、むやみに下がってはいけない、ということをお話しています。
こういう状況で、相手前衛がサービスラインぐらいに下がったところでどうせ取れないからです。
それどころか、こちらとしては打てる範囲がかなり広くなります。
パッシングが一番打ちやすくなるでしょうし、相手前衛の腰から下の高さに納めれば、強いボレーは返ってこないわけですから、ネットの上20cmぐらいの幅をピンポイントで狙わなければいけない前衛アタックに比べて、格段に簡単になります。
相手前衛は、前に詰めていた方が、実は下半身をネットで守られていることを忘れてしまっているのです。
しかもこちらの真の目的は、相手後衛が「アンダーサーブを打つと、つけ込まれる」と考えて、相手後衛のサーブにプレッシャーをかけることにあるわけですから、リターン1本でポイントを取れないことそのものを気にする必要は全くありませんから、ミスをしない程度の強いショット、で構わないと思ってください。
こういう中途半端な対策をしてくれると、ますます術中に嵌まってくれている、と思えば良いと思います。
【次回へ続く】