横移動の際、減速した上で静止してショットが打てない場合、一番はランニングショットで打つことです。
しかし、これはただただ「走り抜ける」というだけでよいものではありません。
ショットのあと、すぐにセンターに戻るためのフットワークを含めての「ランニングショット」であると思ってください。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/bf/f2/p/o0560042014422157953.png?caw=800)
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/57/37/p/o1024076814422157991.png?caw=800)
お分かりでしょうか。
打つ直前、大きく右足を踏み込み、テイクバックを完了させます。
このまま停止して打てばオープンスタンス、という形です。
が、ボールに追いつくために減速をしていない場合、ここで本当に止まってしまうと、足を故障するか、上体がつんのめってしまう。
そこで、そのまま左足を引きつけながらショットを打つのです。
勢いが強いときには、そのままクロスステップのような形になります。
僕は「クロスステップ・ショット」と呼んでいます。
右手はショットのために前に出ていますから、左足が出てくるのは人間の構造上、自然な動きです。
スウィングは、普通に振れば良いのですが、腰の回転が見込めないので、バギーホップショットのようなフォロースルーにしたり、ワイパースウィングのようにしたほうが、ラケットは振り抜きやすくなります。
その後、左足をついた直後、右足を再び大きく外側に踏み出し、右足を踏み込んだ瞬間に、その伸張反射を利用して地面を踏みしめ、重心をセンター方向に持って行く。
そのときの戻りの1歩目は「フットワークの原理 その4」でもご紹介した、ボールに近づくための1歩目と同じように、できれば移動したい方向にある左足から。
ただ「重心を移動させることが優先」でありますので、左足に重心がしっかりと戻っているのならば、左足の踏み出しは、それほど大きくなくても構わないですし、その場で踏み込み直す程度の場合もあると思います。
これは4スタンス理論も絡んでいるのですが、選手にさせていても、どちらかでしかしっくりいかない場合が多いようですので、いろいろ試して見てください。
よくある間違いが、打った直後にクロスステップで踏み出した左足で踏ん張りすぎて、クローズスタンスのような形になり、その反動で左足を引き戻すようにターンする方法です。
「クロスステップショット」だと、右足で外側に1歩余分に移動する形になりますから、左足を引き戻すようにターンした方が速いように感じますが、これは科学的にも間違っていることが分かっています。
東京学芸大学での体育論文でも、オープンのまま踏ん張って戻るのに次いで、左足の着地の後、右足で外側に踏み出してから、その右足で蹴ってターンをする、今回の「クロスステップ・ショット」が、時間的にも短く、エネルギー的にも効率が良いことが紹介されています。
これは、バックのときでも同じです。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/1c/db/p/o1024076814422158025.png?caw=800)
ただし、両手バックの場合には、上半身の回転幅を確保するため、前足(右利きの場合には右足)は完全なクロスステップにならず、上の図のナダルのように「引きつける程度」というほうが多くなる場合があります。
【次回へ続く】