フットワークには3つの過程があります。
1.ボールに速く近づく
2.正しい姿勢で打つために、的確な位置取りをする
3.センターに早く戻る
多くの方が、「1.ボールに速く近づく」ことばかりを気にしてしまい、2.や3.をないがしろにしてしまっています。
ですので、そこにも注目していくことにしましょう。
まずは「1.ボールに近づく」です。
ボールに近づくために、まずは自分の体を移動させることになるのですが、そのときの移動経路というか、動きそのものがまず重要になります。
それが次の図です。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/dd/ce/p/o0720104014422157605.png?caw=800)
おわかりでしょうか?
ボールへのアプローチは、ひらがなの「し」に似た形が基本になるのです。
もちろん、ボールが速い場合には、より直線的になるのですが、余裕があればあるほど「し」の字に近くなるのです。
ボールを的確に捉える位置を「打点」とすると、その「座標」に近づくには、2つの要素があります。
横移動と縦移動です。
この二つの組み合わせが、自分の前方、横、後方に打点を定した際、それぞれ違ってくることになります。
まず最初に、ボールの速度や軌道から、自分の斜め前での打点を予想するとしましょう。
その際、ボールの速度が速ければ、直線的に斜めに走ることになる。
しかし、理想的な移動は、ボールの軌道の延長線上に横移動した後、前方に移動して距離感を合わせる、というものなのです。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/80/2e/p/o0720104014422157619.png?caw=800)
次に打点を横方向に想定した場合。
この場合、もちろん理想は、上図のように「し」の字を描くことなのですが、ほとんどは直線的な移動になります。
この場合はもう、横移動だけ、ということになりますよね。
そして最後は打点を後方に予想した場合。
これが一番間違える。
初心者の多くは最初に横方向を合わせてしまってから──つまり、ボールの軌道上に移動してから、前後を合わせようとしてしまうのです。
前方に出るときと、座標の取り方を同じにしてしまうわけですね。
ですがそれでは、ひらがなで言えば「へ」の字を描くような動きになってしまう。
そうすると、下がりながらのショットを強いられることが多くなり、非常に窮屈なフォームでのショットとなってしまいます。
後方に打点を設定した場合には、①一旦下がってから、②横に移動して、そして余裕があれば③前に踏み出しながらショットを打つ。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/88/8e/p/o0720104014422157635.png?caw=800)
余裕がなければ、③→②→①を順に省略していきます。
最終的には下がらずにボレー、またはライジングショットですね。
ただ、この動きができない。
前方、そして横方向への対処は、「横移動」が起点となるのに対し、後方への対処は「縦移動」が起点となるため、頭の切り替えが必要であるからです。
ひらがなの「し」の字、というふうにルール化してしまえばシンプルなのですが、そういう意識がないまま、機械的な球出し練習を繰り返していると、常に「横移動」を起点としたフットワークになってしまいます。
「横移動」→「縦移動」というのを、無意識に「ルール」にしてしまっている人が多いんです。
「し」の字型の移動を常に行うのが正しいのです。
後方への対処に自信が持てると、ベースライン付近で攻撃的に戦うこともできるようになり、その結果前方へのアプローチも積極的になりますので、実はすごく大切なフットワークなのです。
コツは「ボールから一旦離れること」。
速いボールならば直線的に移動せざるを得ませんが、長いロブなどの余裕があるときにはすごく重要。
実際には、図にあるようにボールの軌道から離れるわけではありませんが、ネットを超えて飛んでくるボールから離れる感覚を持って移動すると、うまくいくと思います。
【次回へ続く】