今回のご質問は、まえやんさんから(Yahoo!ブログ)。
今度、スクールのシングルスの月例に出るのですが、今回で2度目です。
前回は、ポジショニングの差を痛感しました。
スクールだとダブルス中心で、シングルスのポジショニングなどは一切教わらないのですが、僕が今度気を付けようと思うのは、僕が打った方向に対して、返球を出来るだけクロス7割ストレート3割ぐらいの気持ちでコートカバーで行こうと思っています。
この前は、全部をカバーしようと思い、逆に、しっかりバックもフォワもボールにしっかり入れず思うようなショットが打てなかったので。
もしださださコーチがシングルスのポジショニングでこのような事に気を付けると良いのではないか、と思う事があれば、ご教授頂けると幸いです。
シングルスの戦術に関して。
ダブルスの戦術に関しては、このブログの中心としてやってきましたが、シングルスの戦術についてはあまり言及してきませんでした。
まえやんさんにもご覧いただいている「コートエリア」シリーズで、少し触れていますので、まだ読まれていない方はぜひお読みください。
まず、ダブルスの戦術論では何度もお話していますが、このブログでご紹介している僕のダブルスの戦術に関する考え方は「誰でもできる」ということです。
ある程度のラリーやボレーができればなんとかなる、という戦術をご紹介しました。
「サーブは必ずセンターを狙え」
みたいなことは書いてありません(笑)。
それだけ、ダブルスは技術不足を戦術で補うことができるのです。
一方、シングルスは違います。
「コートエリア その1」の冒頭でも言わせていただいているとおり、「力と力のぶつかり合い」という要素が非常に強いのです。
これからお話しする戦術についても、一定以上の技術力が必要ですから注意してください。
さてまずはディフェンス面でのお話をしていくことにしましょう。
「コートエリア その11」でも触れていますが、相手ショットを受ける場合のポジショニングとして、気をつけることがあります。
それは、自分が守るべきエリアは、決してコートの形に合わせた長方形ではない、ということです。
たとえば、相手がコートの右隅から打とうとしている場合、考えるべき「ディフェンスエリア」は次のようになります。
おわかりでしょうか?
もちろん、図はプレイヤーを模式的に表していますので、カラダの真ん中から打ち出す形になっていますが、それはご容赦を(笑)。
問題なのは、相手ショットがベースラインから4ヤード内側に入るとして、相手を頂点としバウンド予測地点を結んだ三角形が、守るべき「ディフェンスエリア」ということになります。
したがって、自分の立ち位置は、その三角形の頂点角の二等分線の延長線上。
図で言えば、センター寄りも少しだけ左に偏った場所、ということになるのです。
そしてカラダは相手に対して正対する形になるわけです。
これがポジショニングの基本です。
さらに、これに自分のフォアハンド、バックハンドの得意不得意が加わります。
もちろん、どちらか一方が極端に不得意、というのでは話にならないのですが(笑)、僕であればフォアハンドが得意ですし、フォアに回り込んでの逆クロスが好きなので、図よりも半歩ほど左に寄るイメージです。
さらに縦の位置ですが、それほどパワーがないため、ライジングショットを打つことで、ボールスピードを得たいと考えているため、ほぼベースライン上です。
もちろん、相手ショットが強いと、どんどん後ろに修正していきます。
左右の立ち位置については、基本は三角形の二等分線。
その上で、僕のようにどちらかが好きな選手はそれに偏りますが、基本的には三角形の真ん中です。
その上で相手の動きや過去のデータから、また試合中の勘として、左右どちらか(クロスかストレートか)が予想が付く場合は、意識を向けるだけにします。
つまり、図のような位置に立っている場合、自コートの右側に相手がダウンザラインを狙っているのが読めた場合にでも、カラダをストレート方向に寄せることはしません。
意識を右:左=7:3ぐらいにしておくのです。
相手打つ瞬間、右に飛び出すことはありますが、ポジショニングの段階でどちらかを狭める、ということはしません。
生徒には逆に「守りたい方を空けろ」と言っているぐらいですから。
それぐらい言わないと、人は無意識のうちに守りたいコースに近づいて言ってしまうからです。
まずはこのポジショニングからスタートし、その上で注意すべきところを考えていきましょう。
【次回へ続く】