さて、スウィングで修正すると一番効果がある代わりに、一番直すのが難しいのが
③ テイクバック です。
テイクバックは、インパクトに向けての最終準備なわけですから、ラケットの軌道に大きな影響を与えます。
しかし、テイクバックはボールがこちらに向かってきている最中の動作です。
本来であれば、意識をボールのみに向け、自動化しなければならない動作な分けです。
テイクバックに意識がいくと、どうしてもボールへの意識が薄れ、距離感が悪くなったり、タイミングがズレてしまったり。
フォーム改造の途中では、ボールへの意識が弱まるせいで、上手くショットが打てないため、本当はフォームは良くなってきているのに、
「上手く打ててないから、このやり方はダメなんだ」
と途中であきらめてしまうことも多いのです。
ですから、テイクバックを直すのであれば、手出しの球出しから始めるなど、根本的に直す覚悟が必要です。
ただ、それだけの価値はあります。
問題なのは、どのように修正するかです。
次のYouTubeの動画をご覧ください。
フェデラーの練習風景でのフォームです。
注目して欲しいのは、フォアハンドのラケットの位置。
特に、体との相対的な位置です。
全然後ろに引いてないですよね?
よく、テニス雑誌なんかで出てくる、
「ボールの軌道の延長線上にラケット面を置くようにするだけ」
のテイクバックのお手本のようなものです。
が、しかし(笑)、次の動画もご覧ください。
これは、ジョコビッチの練習風景。
お分かりでしょうか?
もちろん、決して無駄のあるテイクバックではないのですが、フェデラーに比べるとしっかりと体の後ろまで引いていることがお分かりでしょうか?
もちろん、一瞬です。
一瞬ではあるのですが、これは大きな違いです。
先ほども言ったように、テイクバックの大きさについては、
「ボールの軌道の延長線上にラケット面を置くようにするだけ」
と説明されているものが多いのですが、実際にそこまで小さいテイクバックの選手はほとんどいないのです。
これにも、2つ考え方があって、
「フェデラーがあの小さなテイクバックなのだから、これが理想の大きさなのだ」
というものと、
「フェデラーだからこそ、この小さなテイクバックで打てるのだ」
というものです。
ボクの実感としては、ほぼ後者です(笑)。
正直、フェデラーぐらいのテイクバックの小ささだと、パワーのあるショットが打てません。
余計に力んでしまうか、制御しきれない伸張反射をフル活用せざるをえない。
つまり、コントロールがきかなくなるのです。
まず、フォーム改造でのテイクバックのチェックポイントは、
「どのタイミングで引き始めるか」
そして、
「どこまで引くか」
ということになります。
これをまず、徹底して調節してみましょう。
しかも、手出しの球出しで、です。
手出しの球出しだと、自分の力で振り抜いていかないと、ショットが飛んでくれません。
普段のショットは相手のボールのパワーを利用して打てることが多いのですが、ふわりと浮いたチャンスボールなど、大事な場面でこそ、自分から打ち込まなければならない状況になり得ますから。
振り遅れない、でも、小さすぎない、そういうテイクバックの大きさを見つけてみましょう。
少し長くなりましたので、続きは次回。
テイクバックについては、チェックポイントが多く、大切な内容でもあるので、何回かに分けてお話ししていきましょう。
【次回へ続く】