皆さんは「自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)」というのをご存じでしょうか?
教育現場ではたびたび出てくる言葉で、いわゆる「ナルシズム」のひどいやつ(笑)です。
人間というのは、自分のことを多少なりとも大切にするものです。
自虐的な人や自己を卑下するタイプの人も多くいますが、その根本には「すばらしい自分」を他人に認められたい欲求が眠っていることに変わりはありません。
人は、褒められれば嬉しいものです。
褒められたときに、過剰な謙遜をする人がいますが、その深層心理には、
「これだけ謙遜して遠慮しているにもかかわらず、それでも褒められるということは、それだけすごいことなんだ」
という、ちょっとイヤらしい(笑)、より強い自己肯定感を実感したいという欲求が隠れているものです。
ですから「褒められたい」「認められたい」という心理そのものは、決して悪いものではありません。
が、これが人格障害につながってしまうと困ることになります。
「自分が好き」なことが問題ではないのです。
「ありのままの自分では、好きになりきれない」という病気なのです。
自分の中に、強い劣等感やコンプレックスを実感することを自分自身でも深層心理で否定しようとするため、過剰な自尊心と特別意識を持とうとします。
いくつか特徴があるのですが、それらを羅列していきましょう。
1.自分のミスや間違いを指摘されたとき、それを認めることを一切しない。
自分のテニス理論が間違いであると指摘されたとき、それを反論するだけの実力がない自分を認めたくないため、その指摘そのものを訂正させようとしたり、指摘した相手をコントロールしようと必死になります。
これこそが「ありのままの自分では好きになれない」という症状の基本となります。
2.自分のことを認めてくれない相手は「無視」か「軽蔑」
自分のテニス理論を褒めてくれない、賛同してくれない相手に対しては、とりあえず全否定の態度を示します。
自分の存在を知っていながら認めてくれない人物など、この世にいないはずだから、です(笑)。
3.自分がすごい人間、または独特な人間だと思い込み、自信に満ちた言動を伴う。
プロでもできないようなことが、自分はできるような言い方をしたり、自分の理論は日本では誰も実践できていないかのような言動は、その典型ですね。
また、自分が周りに理解されないのは、時代の最先端を行っている、または周りの人間が能力が低いからだ、と簡単に口にするのも、また典型です。
みなさんの周りに、そんな不遜なバカ、普通いないでしょ?(笑)
4.自分の領域を侵す可能性のある他人に嫉妬する、または他人が自分のことを嫉妬していると思い込んでいる。
これも、自己愛性パーソナリティ障害の人の典型です。
知恵袋で、自分以外の人間がベストアンサーを連発すると、すぐにその人のジャマをして追加コメントなどを連発したり、自分より支持が高いユーチューバーに対する批判を繰り返したり嫌がれセようなコメントをするような行動を言います。
また他人が自分の理論を否定した回答などをすると、否定されたことそのものに腹を立てるだけでなく、相手は自分の「すばらしさ」を嫉妬していると思い込むのです。
5.謙遜しながら自慢話をする
かつて「○○さんの伝説を教えてください」という質問に対して、
「伝説と言うほどではありませんが・・・・」
と謙遜した前置きをしながら自慢話を書き、しかしその質問が自分を馬鹿にするための質問だと分かって、すぐに取り消したりするのは、この良い例です。
6.自分のペースで会話をしたがり、相手の言っていることを理解する気がない、または相手の話を聞かなかったことにできる。
相手の話の一つのキーワードをもぎとって、自分の話にしようとしたり、相手の質問に答えず、自分ばかりが質問を連発するなど、基本的に「会話」が成り立たない状態を作ってしまいます。
こんなやつ、世の中にそうそういるものではありません。
研究によれば、一般成人で1~2%ほど。
その障害の程度にもよりますから、上の1.~6.がすべて当てはまるような人物は、よほどなのです(笑)。
おそらく、自己愛性パーソナリティ障害の人がこの記事を読んでも、自分ことだとは分かりません。
自分のことを否定するほどのメンタルを持っていないからです。
みなさんはどうですか?(笑)
思い当たるところはないですか?
ぜひご自身の周りにもそんなやつがいないかどうか、思い出していただければ、と思います。