「集中力」には2種類あります。
 

1.的確な事物、事象に対して注意を向ける能力。これこそが「注意集中」です。

2.その「注意集中」を必要な時間だけ持続させる能力。

 
 一般的な集中といえば、2.の持続力だけを取り上げるコーチや、メンタルトレーニング本がありますが、それだけではダメなのです。
 
 それでは「注意集中 その1」でお話しした、Bさんのような状態でも「集中している」と判断してしまう。
 
 それはダメなのです。
 
 選手自身も、自分に向き合っているときこそが「集中している」と思っているからなおさら注意しなければなりません。
 
 大切なのは1.の「注意集中」をまず的確に行うことなのです。
 
 今回はこの注意集中について、具体的にお話をしていきましょう。
 
 注意集中には、2つの要素があります。
 

1.集中する対象が「広い」か「狭い」か

 (1) 「広い」注意集中
 
 同時に、複数の要因・状況を把握、認識することです。
 
 (2) 「狭い」注意集中
 
 1つの対象物のことについて、把握、認識することです。
 

2.集中する対象が「外」か「内」か

 (1) 「外的」注意集中
 
 ボール、コート、天候、風、観客 など。
 
 (2) 「内的」注意集中
 
 自分の心理状態、体調、技術、ゲームプラン など。
 
 
 これら2つの要素を組み合わせ、それをゲームの流れとともに次々と広くしたり狭くしたり、外に向けたり内に向けたりを繰り返すことで、的確な要因、状況への注意集中ができたことになるのです。
 
 それではその2つの要素を絡めた「注意集中」の4つのタイプについて──次回お話ししましょう。
 
【次回へ続く】