今日から、ダブルスの戦術理論の新シリーズを開始したいと思います。
題して「ミスをしたときの対処」です。
まあ、なんと消極的な題名(笑)。
だからでしょうか、多くの戦術論には、こんなテーマは用意されていません。
「相手の甘いロブが上がったら、スマッシュをこのコースに打つ」
って書いてある戦術本はたくさんありますが、実際、初・中級者の試合では、そのスマッシュを打とうとして結局追いつけず、打てずに終わったり、最悪、空振りすることだってある。
でも、そんなときにどうするかって中々書いてないんです。
まあ、そうですよね。
ミスをしないように練習しましょう、っていうのが戦術本の決まり文句なんですから。
皆さんはどうしていますか?
雁行陣の場合、後衛がミス(空振りや追いつけない等)をしたときには、即、負けに直結しますが、前衛のミスは後衛がカバーすることが可能です。
だからこそ、ペアである程度話し合っておかなければならない。
後衛がしっかりとカバーをしてくれるという安心感があるからこそ、前衛は思いきったプレーをすることが可能なのです。
特に、スマッシュやポーチなど、あきらかなチャンスボールをミスした後こそ、しっかりとしなければなりません。
いざとなれば後衛がカバーしてくれる、という安心感があるからこそ、ポーチにでたり、スマッシュを狙ったりできるのです。
ポーチに出ない前衛、スマッシュを狙わずにすぐに見送って後衛に任せる前衛は、ただ単に技術が低いだけでなく、ミスそのものを怖がっているからです。
初・中級者の場合、ミスをすることそのものがショックで、プレーを止めてしまう前衛がいます。
そのときの一番の原因は「ミス=そのまま失点」という図式が頭の中にできてしまっているからです。
常にカバーリングできるような後衛であれば、ミスをした後でも、前衛は次のプレーを考えることができる。
前衛がミスをした後すぐに落ち込んでプレーを止めたり、すぐに謝ったりするのは、実は後衛に原因があることが多いんです。
自分のペアが前衛でミスをした後の態度をじっくりと見てください。
それは、アナタの態度の鏡とも言えます。
ペアの人がミスをした後すぐに落ち込んだ態度を見せたり、2バウンドする前に謝ったりするのは、アナタはそのミスそのものを許さないに違いない、と思われているからです。
ミスそのものではなく、その直後にすぐに勝利への執着心を捨てたことにこそ、アナタは怒るべきで、そういう態度を常に見せていれば、アナタのペアも、決してボールを諦めることはないはずです。
そしてその諦めないためにも、どのようにカバーリングすることが効率が良いのかを、頭に入れておいて損はありません。
ミスをした後は、本来あるべきポジションでないことがほとんど。
前衛も後衛も想定しないからこその「ミス」ですからね。
そこから、普段と同じ感覚でボールを返してしまうと、ミスにミスを重ねる形になってしまいます。
ミスを前提とした練習、というのは中々に難しいかもしれませんが、後衛の判断一つ、指示一つで、「負け」の状態を最低でも「イーブン」の状態にまでもっていくことのできる、対処方法を考えていきましょう。
【次回へ続く】