引き続き、統計的な内容をもとに考察をしていきましょう。
前回は、部活動に所属する生徒の数だけを取り上げましたが、今回は「チーム」の数も考えていきます。
高体連の発表によると、東京、大阪、鳥取の各都府県の各競技での登録部活動の数は以下の通り。
東京; のべ6613団体
大阪; のべ4551団体
鳥取; のべ685団体
さらに、それぞれの都府県の教員数は、総務省の発表で、
東京; 18951名
大阪; 14987名
鳥取; 1414名
となっています。
このとき各チームに割り当てることのできる教員の数を単純計算するとすると、東京は1つの団体につき2.87人、大阪にいたっては3.29人の教員を割り当てることができる計算になります。
それに対して、鳥取は2.064人。
通常、正・副顧問をあてることや文化部もあることを考慮すると、鳥取では確実に掛け持ちしている教員が生まれてしまうわけで、部活動を担当しなくてもよい教員、なんていうことがありえないわけです。
つまりは、都会の教員に比べれば、やったこともないスポーツや競技の顧問になることなど、ざらにあり、しかもその確率は都会の教員と比べればはるかに高い、ということです。
もちろん、それがあるべき姿だと言ってるわけじゃない。
避けるべき事態です。
ただ、田舎の高校生は、そういう先生方の「苦労」をちゃんと見てくれている。
教員というものが、必ず何かしらの部活動を担当し、熱心な教員も不熱心な教員もいろいろいるとはいえ、教員自身のプライベートを壊しながら、休みの日などに仕事をしているのを、生徒がちゃんと見ているわけです。
そして、そういうのを見ながらもなお「教員になろう」って思ってくれる高校生は、それなりの「覚悟」をもって教員になってくれています。
もちろん、特定の競技や団体の顧問をしたい願望はあるだろうし、不本意な競技の顧問になれば残念に思ったりやる気が失われたりすることもあるでしょうが、それでも、
「教員の仕事に、部活動があるのはおかしい」
なんていう論法に転換するような輩は、ごく少数派でしかありません。
少なくとも、
「教員がみんな部活動を担当しなければならないなんて聞いてない」
などというふざけたことをほざく教員は、田舎にはいないのです。
それでもなお、もしも言うヤツがいたのなら、高校生のとき、自分の世界しか興味のなかった視野の狭い人間だった、というだけのこと。
何を見て「教師になりたい」と思ったんだ、と。
ドラマや上辺だけを見て「教師になりたい」って思ったくせに、「そんなつもりじゃなかった」なんていうのは、仕事を舐めてるだけだろ、と。
よく、そういう教師に限って、
「教師の本分は、教科指導をすることだ」
っていう人がいるけれど、そんな当たり前のこと何を偉そうに、って思う(笑)。
教科指導なんて「本分」どころか、それができてやっと「最低限」の仕事をこなしたことにしかならないんだ、ということが分かってない。
「部活動指導をすると、教科指導やクラス経営がおろそかになる」
っていう教員もいるけど、笑ってしまう。
お前、どんだけキャパ狭いんだ、と。
現に、田舎の公立学校では、インターハイ出場チームを率いながら、国・社・数・理・英の受験科目を他の教員と変わらず担当して、生徒からもわかりやすい授業として人気があり、クラスもすごく良いクラスを作り上げている先生が、田舎にはごまんといます。
そして前々回も言ったとおり、田舎では塾や予備校に任せることができない分、平日の放課後や長期休業中にみっちりと補習授業をしながら、それにプラスアルファして、部活動もきっちり見ているわけです。
「部活動熱心教師 = 教科指導をおろそかにする教師」
という図式を持ち出す人が多いですが、たぶん、そういう人は都会の人か、先ほど言った視野が狭い人です。
統計学上、都会の高校生は部活動を熱心に取り組んだ経験の無い人が多いわけで、それはイコール、そういう経験のない教師が多い、ということにもなります。
そんな人には、部活動の教育的な意義なんか、理解できるはずがない。
それを理解してしまったら、自分の人生を否定することになるからです。
都会の公立高校では、部活動のチームが勝ち進むだけでニュースになるような現状ですから、部活動にがっつりと取り組んでいる学校はやはり田舎に比べると少ないと思います。
かといって、都立高校の進学実績が高いかというと、そういうわけではない。
一方、私立は私立で、学業重視型のクラスと部活動優先型のクラスがはっきりと分かれていることが多く、決して部活も勉強も頑張っている生徒が多いわけではありません。
進学実績も部活動実績も高い私立高の多くは、そういうふうに「2種類の生徒がいる」という体勢を取っていることがままにしてあるわけです。
だから、教員にも「学習指導も部活指導も両方をガッチリやる」っていう人が、自然と少なくなるのかもしれませんね。
【次回へ続く】