フォアハンドに比べて、バックハンドやサーブを原因としたテニス肘が今も昔も変わらず多いのは、技術的な革新というか「変化」がフォアハンドほどにはなかったからかも知れません。
バックハンドのテニス肘が起こるのは、片手バックハンドがほとんど。
両手バックハンドでなる人は、ボレーのときになっているか、よほどとんでもない打ち方をしているか、です。
バックハンドも、テニス肘になる原因、過程はフォアハンドと基本的には同じ。
特にバックハンドはスウィングの方向と肘の方向が合わず、肘を曲げて打つわけにはいかない。
肘を伸ばして打とうとすると、ソフトテニスのような極端な厚いグリップでは、打点が異常に前になり、また低いボールに対応がしにくくなるため、フォアのイメージでいうと、イースタングリップぐらいの厚さで握るしかありません。
自然と昔のフォアハンドのように、腕とラケットVの字型になって、前腕の筋肉を緊張させたままインパクトをすることが多くなって、筋肉を痛めるわけです。
この場合も、前腕の無用な緊張をさけてスウィングをすれば大丈夫のはずですが、なかなか。。。
最初から肩胛骨周りの筋肉を効率よく使える人は少ないので、パワーが出しにくい上に、打点が少しずれるとフォアと違って「小手先」の調節ができないものですから、力んでラケットを回す場面がどうしても多くなりやすい。
バックハンドでのテニス肘がいまだに多く存在するのは、そのためだと思います。
また、サーブも同様です。
サーブはコンチネンタル・グリップを用いる、というのが一般プレイヤーにも浸透したことで、かえってテニス肘が起こりやすくなっています。
これはもう、正しいフォームと脱力、収縮のタイミングを使い分けるしかありません。
そして、筋力トレーニング。
特に前腕の筋肉を鍛える必要があります。
ここでは、僕がやっているトレーニングを紹介しましょう。
僕がよく使うのは鉄アレイなどです。
本当なら、チューブなどがいいと思います。
鉄アレイは勢いをつけてやってしまうと楽なときがある。
慣性の法則が働くからです。
初動負荷トレーニングっていう、特別な目的をもってやるなら別ですが、今回の場合にはそぐわない。
それに比べてチューブは引っ張れば引っ張るほど強い力が常にかかることになるので、弱い負荷で効率よく筋肉を鍛えることができます。
ただチューブの場合、一方を引っ張るときに、もう一方をどっかに結びつけたり、押さえないといけないのは、実はけっこう面倒くさい。
チューブトレーニングの有効性がこれだけ取り上げられながら、なかなか一般の方に浸透しきっていないのは、やはりこの「1人ではやりにくい」ということが大きな原因だと思います。
動きそのものは非常に単純なものですので、鉄アレイやチューブがなければペットボトルなどでも代用できます。
また、鉄アレイなども重いモノよりは軽いモノを何回もやったほうが柔軟性を保ちながら筋力をアップできるはずですので、どうぞお試しください。
それでは次回、具体的にご紹介しましょう。
【次回へ続く】