今回ご紹介するのは「ウィニング・アグリー 読めばテニスが強くなる」です。
かつて男子世界ランキング4位にまでなり、その後、アンドレ・アガシなどのコーチを務めた、ブラッド・ギルバードの本です。
全米でもかなり売れたらしく、日本でもテニス関連本の上位に長くとどまっています。
内容は、自分の現役時代、コーチ時代の話しを振り返りながら、テニス理論を展開しています。
アンドレ・アガシの「OPEN」のように、自伝ではありません。
彼が活躍していた時代のさまざまなプロを題材に、
「こういうタイプにはこういう対処方法がある」
とレクチャーしてくれています。
たしかに、サーブも、ストロークも、ボレーも決して卓越したプレーヤーでなかった著者が、どうやって世界ランキング4位に上ることができたのかが分かります。
読者層を、一般のアマチュアに絞って話しをしてくれているので、
「鋭いスライス・サーブをアングルに打って、エースを狙おう」
みたいな、読者を置いてきぼりにした技術解説は一切なし(笑)。
非常にわかりやすく、また実践しやすい内容が多くありました。
僕がこれを読んで生徒に勧めているのは、
「ファーストゲームのサーブ権を取らない」
というもの。
「サーブが本当に有利に働くのは男子プロだけだ」
という割り切りが好きです(笑)。
アマチュアではいきなりサーブをフルスピードで打てない。体が温まるのを待つべき。
さらにブレークを先にすることで、相手にプレッシャーを与える方が効果的、などなど。
「プロはこうやってるから、アマチュアのみんなもマネをしろ」
という上から目線ではなく、
「プロでさえこうやってるんだから、アマチュアなら、こうやったらうまくいく」
という観点で書かれているの非常に読みやすい。
非常におすすめの本です。