今回紹介するのは
「テニス 勝利への戦術 シングルス編
全米テニス協会 編
神和住 純 監修
村松 憲 訳
大修館書店」
です。
このブログでは、シングルスの戦術をお話しすることはあまりないと思います。
理由はいくつかありまして。。。
1.ダブルス以上に状況設定が多く、パターンが複雑であること。
つまり「これをしておけばなんとかなる」というのがない。
というよりも、極端に単純化すれば、
「エンドラインぎりぎりに高く跳ねるロブを深く入れましょう」
っていう一言で終わってしまうし、かといって、細かく言い出すと止まらない、っていう(笑)。
2.その戦術を実践するための「技術」を習得していることが前提であること。
私がこのブログで紹介しているダブルスの戦術は、普通のストローク、ロブ、ボレーができれば可能なものを紹介しています。
ですが、シングルスはそういうわけにはいかない。
前後左右の打ち分け、ボールスピード、高さの調節、できれば球種の打ち分けも必要です。
ダブルスの場合は、フォアハンド、バックハンドを差をポジショニングで埋めることが可能ですが、シングルはそれも無理。
フォアに回り込んだら、それはオープンスペースの拡大に直結します。
この2つがあるために、テニス雑誌などでもシングルスの戦術説明って意外と少ない。
Yahoo!知恵袋などでも、
「シングルスで、○○という場面では、どうしたらいいですか?」
とか、
「シングルスで有効な戦術を教えてください」
っていう質問が良くありますが、僕は答えたことがありません。
答えようがないからです(笑)。
もちろん「僕が得意な戦術」はあります。
でも、それは人それぞれ違う。
得意なショットも、苦手なショットも、運動量も違えば瞬発力も違う。
さらに、相手プレイヤーのレベルも分からないわけですからね。
僕は、バック側のボールを回り込んで逆クロスに打つのが得意ですが、このショットだって相手が左利きだったり強力なバックハンドを持っている相手では効果もない。
だからこそ、シングルスは難しいんです。
この本の良いところは、パターンによる戦術を紹介した後、その戦術を実現するための技術を習得するためのドリルが紹介されていることです。
段階的に、しかもレベルに応じて紹介されているので、練習にも取り入れやすいと思います。
むやみやたらと球出しをするよりはよほど良い。
ただ。。。これ「シングルス編」ってありますでしょ?
かなり前に購入したんですが、いつ「ダブルス編」が出版されるんでしょうか?(笑)。
大修館書店の方、おまちしております。