グリップの「厚い」「薄い」のほとんどは、八角形のグリップのどこに人差し指の付け根を置くのか、ということで決まるんですが、もう一つ重要な要素が「グリップの方向」です。
実はこれ、多くの人は「自然となってしまう」ものなので、あまり気にしていないというか、
「そんなもの、当たり前だろ」
って言われて終わりというか(笑)。
でも、僕はかなり気をつかって握っていますので、一応ご紹介しようと思いまして。
グリップの方向、と言ってもなかなか分かっていただけないのが現状ですし(笑)。
グリップの方向には大きく分けて2つあります。
人差し指の付け根の位置を中心として、
1.グリップが手相でいうところの「生命線」に沿って(グリップエンドが手首方向に来るように)握られる。
2.グリップが手相でいうところの「感情線」に沿って(グリップエンドが小指の付け根に来るように)握られる。
の2つです(図9)。
ちなみに、手相での「生命線」「感情線」がおわかりにならない方は、あらかじめお調べください(笑)。
そして、この1.「生命線」グリップで握ると、ラケットは「厚く」、2.「感情線」グリップで握ると、ラケットは「薄く」握ったときと同じ効果が生まれます。
これを説明するのがけっこう難しくて。。。めんどくさくて、生徒にもいつも省略しています(笑)。
今回はせっかくですからやっていきましょう。
まず、グリップの八角形の面を思い出してください(図8)。
今回は、ラケット面に平行な③面に人差し指の付け根を置く握り方で検証をします。
人差し指の付け根を③に置き、1「生命線」グリップで握ったもの、2「感情線」グリップで握ったもの、を、それぞれ掌側から撮影したのが下の図10。
グリップの方向が違えば、当たり前ですがラケットトップの方向も変わりますので、前腕の延長線上とラケットとのなす角ももちろん大きく変わります。
図10右のように、前腕とラケットの角度が90°に近い状態が「コック(cock)」と呼ばれます。
ガス弁(cock)を閉めたときのように直角の状態をいうんでしょうが。。。語源は不明です(笑)。
よく技術本には、
「手首をコックして」
と書かれていることが多いですが、図を見れば、実際には手首の角度だけの問題ではなく、「グリップの握り方」が非常に大きく影響していることが分かりますね。
でも、そんなこと書いてある本なんかほとんどない。
みーーーんな、手首手首手首手首(笑)
これも最初に言いましたが、多くの上級者(または勘違い上級者)が、
「当たり前」
だと思っていて、初級者が「コック」ができていないのを見ると、
「手首のせいだ」
って誤解しているのが原因です。
もちろん、手首が伸びてしまってラケットを立てていない人はいます。
でもそれも「すべてじゃない」とちゃんと分かって教えている上級者(または勘違い上級者)がどれだけいるんだろうかと、疑問に思っているんです。
「薄い」グリップは「感情線」グリップで握るモノだ、と無意識にやっているからなんですが。。。これは後述。