まずは、 前回でのそれぞれのサーブの軌道を確認。
 
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 それでは「フラット」と「スライス」から比較してみます。(図5)
 
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 フラットとスライスは、僕の場合、体軸の傾きも打点(ラケットの頂点)もほぼ一緒です。
 
 これは、2つ理由があります。
 
 1つは、僕が170cmしかないくせに身体が硬いことです。
 
 よく技術本には、トスを上げる場合、フラットに比べてスライスのほうが外側(右利きの場合右側)に上げた方がよい、と書かれています。
 
 たしかに、そのほうが回転はかけやすい。
 
 ただし、僕は人間工学どおりに「ゼロポジション」をキープしたままスウィングしています。
 
 体軸に対して上腕の角度は変わりませんから、「腕を右側に伸ばす → 打点が低くなる」ということなんです。
 
 あまり打点が下がるとスピードを落とさなければサーブが入らなくなっていまいます。
 
 そのため、あまり右側にトスを上げるわけにはいかないんです。
 
 一方、フラットに関して言えば、もう少し身体に近いところ(図よりも左側)にトスを上げてもよいのですが、そうすると体軸をもう少し左に傾けなければいけません。
 
 身体が硬い僕は、その傾きで速く腰を回転させることができない(笑)。
 
 野球のスローイングでも、僕はオーバースローよりもスリークォーターのほうが投げやすいですから。
 
 せっかくのフラットサーブ。
 
 できるかぎり腕の振り(上体の回転)のスピードを維持しながら、できるだけ打点を高くしようと思うと、図のような角度がちょうどいいんです
 
 2つ目の理由は、フラットとスライスの使い分けです。
 
 僕は、スライスサーブを、フラットサーブと同じように1stサーブとして使うことが多い。
 
 ですから、打点が変わらない方がいいんです。
 
 びびりの僕は、2ndサーブでは入れることの方が優先なので(笑)、トップスピンサーブがメインですが、スライスとの違いを読まれることはかまわない。
 
 1stサーブでは、球種やコースが読めないことでエースを奪うことを目的としていますし、2ndサーブは、球種やコースが分かっていながら、予想以上の回転で相手を崩す、っていうのがおもしろい。
 
 ですから、スライスのトス位置はフラットのそれとほとんど変えておらず、打点もほぼ同じになるんです。
 
 そこで、2つのサーブの軌道ですが、後ろから見た感じは全く違いますね
 
 おそらく、立体的に見ると軌道そのものは違わないと思うんです。
 
 インパクトの瞬間の体軸の方向も描いてありますが、ほとんど同じ。
 
 違うのは腰の回転速度とそれにともなう腕の振りです。
 
「フラット」は、フォロースルーがボールの予定進行方向に向かっているために、後ろから見たときの軌道が違って見えるんです。
 
「スライス」は、横回転をかけるために、腕を身体の右側にラケットを投げ出すような形になります。
 
 僕が「フラットは違う」という意味が分かってもらえたでしょうか。
 
 さて、次は「スライス」と「トップスピン」を比べてみましょう。