クロスラリーにおけるポジショニングの3回目です。
1.前衛は、相手ボールと自分が守るサイドのコーナーを結んだラインに「1歩で届く」ところに立つ。
2.後衛は、味方前衛が守っているところを「デッドゾーン」として捨てる。また相手前衛がかぶっている部分も「実質的なデッドゾーン」として捨て、その間のオープンスペースの中央ライン上に立つ。
の2つでした。
この2つの基本を守っていれば、クロスラリーで相手ペアが多少動いたとしても対応できることになります。
ただし、この「デッドゾーン」を認識するためには、コートを俯瞰で見る感覚であったり、CGを描くように頭の中でデッドゾーンに色をつけたりラインを引いたりする必要はありますが、うちの生徒も少し練習すればできるようになりますから、どんな方でも、ちょっと練習すれば大丈夫だと思います。
それでは、相手後衛がコートの少し内側──シングルス・サイドライン上で打つときにはどうなるでしょうか。
それが次の図です。
おわかりですか?
まず、相手後衛が打つボールとコーナーを結ぶラインが斜めになりますから、味方前衛もそれにあわせて、少しだけ内側に移動することになります。
これがなかなかできない。
「サイド(ストレート)を守れ!」
っていうと、どっかりとサイドに立っているだけで、こういう微調節ができません。
また、相手後衛bから見えるパートナー前衛Bの立ち位置もずれて見えているはずですから「実質的なデッドゾーン」も変わることになります。
それによって生まれる「オープンスペース」は、前回と比べ、味方後衛から見るとわずかに左ずれることになります。
ですから、味方後衛はコートのセンター方向にポジションを移動することになるんです。
これが、初心者はよく逆になります。
こちらから見て、相手後衛が右方向に動くと、それにあわせて右に動いてしまう。
でもオープンスペースを考えれば、それは間違いだとすぐ分かりますね。
僕はまずこの後衛の動きを徹底させます。
これができないと、これからご紹介するポジショニングが全てずれることになるからです。
もちろん、個人個人にとって、フォアとバックの得意不得意がありますから、それは計算に入れないといけない。
たとえば、図の味方後衛にとってバック側にボールが返ってきた場合、コート左側のクロス方向に打つのが苦手な選手がいます。
バックハンドにとっては「逆クロス」になり、クローズスタンスで打つには大きなステップの踏み替えが必要だったり、オープンスタンスで強いショットを打つ技術が必要だったりするので、けっこう苦手な選手が多くいます。
ですので、ほんのわずかにバック側にシフトして、フォアに回り込む準備をすることが必要な選手はいますが、それも「オープンスペースの中央ライン」を想定できればこそです。
さて、次回はもうちょっと、相手後衛bを移動させましょう。
【次回へ続く】