10月2日、朝4:30。リアド近くのモスクからアザーンの声が聞こえてくる。

リアドはパティオ(中庭)のある古い民家を改装してブティックホテルとしたもので、客室数が少なく落ち着いた雰囲気が魅力。
東西2km、南北3kmの城壁に囲まれたマラケシュのメディナ(旧市街)には700件以上ものリアドがある。2003年頃から2008年にかけてヨーロッパの人々がメディナ内の古い民家を買い取り、リアドに改装することが盛んに行われた。金融危機以降、ペンディングになっているプロジェクトも多いようだが。

私が滞在したリアドはフランス人マダムのブリジットさんが7年前に民家を買い取って始めたもので、バーガンディ色を基調としたインテリアが素敵な宿だった。屋上にはテラスがあり、オリーブやオレンジの木がセンス良く並べてある。朝食はこのテラスでいただく。とても居心地がよく、わざわざリアドでゆっくりする時間を設けたほど。

このリアドはメディナの中心地、フナ広場から徒歩5分の距離にあり、アクセスもよいが、メディナ特有の狭くて暗い道を何本か入っていく入り組んだところにあり、見つけにくい。

 

現地に暮らす人々は観光客がメディナで道に迷うのをよく分かっている。

前日の晩、スーク(市場)でシャンプーを買ってリアドに戻る途中、少年に「リアド・ブッサ?リアド・ブッサ?(=案内してあげるからお金ちょーだい)」と駆け寄られる。「自分でいけるから大丈夫。」と答えながらも、本当のところはよく分からなくて途中で逆方向へ行ってしまった。するとすぐに先ほどの少年に「違うよ、こっちだよ。」と指摘される。観念して何となく少年と一緒に歩いていると、いつの間にか子供の数が増えているではないか...。

リアドの前に着くと「僕とこの子(別の少年)に2ディルハム(約20円)ずつちょうだい。」、と少年。その横にはいつの間に現れたのか小さな女の子が営業用の笑顔でにっこりと微笑んでいる。キリがないので「彼以外は何もしていないわ。」と伝え、案内してくれた少年にのみ小銭を渡す。すると少年が「ちょっと待って、コレ違うよ!」と騒いでいる。よく見てみるとドバイの小銭だった(ゴメンナサイ)。小さくとも商売人。しっかりしてるわ。。


*Riad Boussa