ある日の晩飯
仕事終わり。いつもより少し遅い時間になってしまったので、晩飯の食材を買いにスーパーへ寄った。野菜売り場を歩いていると、セロリと目が合った。根元の部分が白くて、肉厚で、柔らかそうなやつだ。セロリというのは不思議な野菜で、普段は存在を忘れているのに、たまに無性に食べたくなる。一本だけカゴに入れた。魚売り場では、割引シールの貼られたマグロのぶつが並んでいた。もともとの値段も大したことはない。それでも、「この値段でいいんですか」という感じだったので、こちらもカゴへ。丼にすれば楽だし。以前は、値札などほとんど見ていなかった。必要そうなものを適当にカゴへ放り込み、レジへ向かう。そんな買い方だった気がする。最近は少し違う。値段を見る。そして、「これは安いな」とか、「今日はやめておくか」などと考える。別に節約に目覚めたわけではない。ただ、暮らしのステージが少し変わったのかもしれない。帰宅してみると、冷凍ご飯のストックが切れていた。仕方なく米を研ぎ、「急速モード」のスイッチを押してから風呂へ入る。風呂から上がり、丼の準備をしながら、行儀は悪いがキッチンで立ち食いをした。左手にセロリ。右手にマヨネーズ。うまかった。シャクッという歯ごたえ。青臭さ。少し苦い香り。たまらない。ついでに小さなトマトも丸かじりした。最近育てているプランターのトマトはまだ青いが。炊き上がったご飯にマグロをのせる。大葉を添える。海苔を散らす。わさびを少し。それだけで十分だ。原価は数百円だ。こういうので満足してしまう。炊きたての飯があって、丼、簡単でいいな。