岩美ことば「は行」 | だるま親雲上日日記

岩美ことば「は行」

 

 岩美ことばの「は行」は、なんか充実している気がします。ってか、それほど面白いことばが多々あります。

 まずは、「ばーら・ばらー」。田後独特の感動詞でして、「ばーら、凛。久し振り」などと使うようです。お隣の網代では、「ぼーら・ぼらー」になるそうです。

 「はがええ(悪い)」は、専らつり上げた魚の大きさを表現するもので、「このヒラメは、はがええ(悪い)なぁ」などと使います。大きめのイワシを「オオバイワシ」といいますが、この「バ」が「は」のようですね。

 「はちわら」は、「怜、はちわらあめが!」と凛がたしなめるのに使いそうです。すぐに大声を挙げて辺り構わずわめき散らす人のことで、渚に追い込まれている怜は、まさに「はちわら」。

 「ぴやぴや」は、肌着などが生乾きの状態で、着るとひやっとする場合などをいいます。「はる~、この水着ぴやぴやだね」なんて、真琴にいわせたいです。

 それにしても「P音」が残っていることに感激です。日本人の口は、だんだん締まりがなくなり、「P音」「F音」「H音」になったとか。沖縄には、「鼻」や「花」を「パナ」と発音する地域が残っています。

 「ふんごばる」は、より力を入れて精を出すなどの意味。「渚!ふんごばれ!」とか使えそうですね。

 「へんねもん」。『Free!』シリーズ最初の凛は、まさに「へんねもん」。オーストラリアから帰っても遙たちに連絡もせず、そして鮫柄高校へ行き、独りであがいていました。「男の意地」ってヤツですか。

 わかりました?「ひねくれ者」、「偏屈者」などが「へんねもん」です。

 「ほたえる」は、映画『鬼龍院花子の生涯』で、夏目雅子さんが「ほたえなや!なめたらいかんぜよ!!」と啖呵を切って一世を風靡しましたのを思い出します。

 こちらは高知が舞台でしたが、同じように岩美でも「ふざける・おどける」などの意味で使うんですね。

 「ぼっこい」も面白い表現ですね。ひどく雑な、粗雑な、手洗いなどの意味で使うそうです。「ぼさっこいことするないや」とは、「乱暴なことをするな」という意味なので、渚が「ぼっこい」ことをしそうと思いがちですが、むしろ似鳥の部屋の方が「ぼっこい」と思います。