巡りめぐりて ② | Prose 

巡りめぐりて ②

二日目、
あのいくつもの争議を生んだ大川小学校など
被災した沿岸部に鎮魂の祈りを捧げつつ巡り巡る。


Prose -おおかわ

Prose -大川

(ここ大川小学校脇には、慰霊碑が建っているが、

 この「慰霊碑の前で写真を撮るのはご遠慮ください。」

 と貼ってあった。と云う事は、この慰霊碑をバックに

 記念撮影でもしている人がいるということを

 意味しているのだろう。‥はぁ・・)

 

順に手を合わせて気がつけば夕暮れ、
気がつけば気仙沼が間近に迫っていた。
もとより、本日二日中に陸前高田まで入るつもりでいた。


しかし、時間的に押している。


どうしようかと暮れかかった港町で我々は佇み
それぞれの名案を互いに待った。


すると、一番若い後輩が一声、
「経済復興支援ですよっ、なんか喰いましょぉ?!」
とこう着を払うようにおちゃらけながら発した。


Prose -屋台村


Prose -kake

多くの来場者、有名な支援者の写真が壁一面に貼られた
ここ復興商店街、屋台村は、沿岸部の中でも
少なくとも幾分 人の賑わいという点では、
進んでいる方であるやに感じられ 少し安堵する。


食事が済んで時計に目をやれば、

19時を少々回ったところ。(だったと思う)


ふと、「この沿岸部の街まちにダーツバーってなかったのだろうか?」
また、「被災された後、再興を果たしているお店はなかろうか?」と思い立った。


ダーツ投げ場の検索サイト「ダーツで○○」にて
現在地検索をかけてみたところ、
今そこにいる地、気仙沼を始めとして
隣町、明日訪れると計画しなおした陸前高田に1店舗ずつヒットした。


にわかに一人で色めき立ち、陸前高田にあるという、
その「LOOP」さんなるお店の詳細データに目をやりちょっと驚いた。
ひまわりを育て、タネを分けあい、明日 そのお礼に伺うはずの、
佐々木農機さん、そしてその花壇から、わずか20メートルほど先の
住所にあるという事がわかったのだ。


その時点で、
気仙沼にいる我は、その思っていたよりも
人の姿を目にし、まだまだ爪跡露わとは云え、
それなりに賑わいを取り戻しつつ感じたここ気仙沼の街。


その明るさを心のたよりに、かの高田の街に灯る
店のネオンとダーツの音を夢想した。


ここ気仙沼にも一件ダーツバーがあるとヒットしたけれど、
自分の中で、その高田の「ループ」さんなるお店の住所が
あまりに関連深い場所に近かったことで、
まだまだ呑みが進んでいる同僚を置いて、
高田へと車を走らせた。


が、しかし


その想いは、あまりにあっさりと
落胆に変わることとなった。