先月末の雪がちらつく日に、
九州国立博物館へ、「ゴッホ展」を夫と観に行きました。

 

今年1月1日からの開催を去年知ったときから、
絶対行こうと思っていて、
一番早く販売された早割りペアチケットを去年7月には購入していました。

 

 

博物館での展示会チケットがそんなに早く販売されることって
他の展示会ではないんだけどねえ。

 

 

それだけ、知名度、期待値が高いってことなんだろうねえ。

 

 

 

2010年は、フィンセント・ファン・ゴッホの没後120年目にあたるそうです。

 

 

 

37歳で生涯を閉じたゴッホですが、
画家になろうと決めたのは27歳のときなので、
画業は10年しか行なっていないそうです。

 

 

現在での知名度に比して作品数(良品)が少ないのは、
画家としての活動期間が短かったのもあるのでしょうね。

 

 

今でこそこんなに有名だけれど、
独学で描き続けたゴッホの絵は、
生前、1枚しか売れなかったそうです。

 

 

なにゆえ、この人の絵が没後に評価されるようになって、
天文学的価格で流通するようになったのか、
そういうところにも興味がわきますねえ。

 

 

 

ここで、ゴッホの生涯を簡単ではありますが、振り返りたいと思います。

 

 

 

年々、記憶力が下落していってるから、
記載しておかないと、すぐに忘れちゃうんだよね~(笑)。

 

 

 

1853年オランダで誕生したゴッホは、
16歳から23歳まで、伯父の経営する美術商で働きますが、
勤務態度に問題があり解雇されます。

 

 

 

その後、神学を学ぶためアムステルダムに移住しますが、大学への入学を断念。

 

 

ベルギーの炭鉱町で見習い伝道師として献身的に活動しますが、
過度な布教活動が問題視され、仮伝道師免許を剥奪されます。

 

 

1880年、ゴッホ27歳のとき、
伝道師への道をあきらめ、画家になることを志します。

 

 

ゴッホの最大の理解者である弟テオドルス(愛称テオ)から仕送りをしてもらい、
ハーグに住むいとこアントン・モーヴに絵の手ほどきを受けます。

 

 

1883年、ゴッホ30歳、
この頃から本格的な油彩画の制作に取り組みます。

 

 

1885年、初期の傑作といわれる「じゃがいもを食べる人々」が完成。

 

 

1886年、ゴッホ33歳、
テオの住むパリに移住。
印象派絵画から刺激を受け、ゴッホの絵の色彩も明るくなります。
パリで流行していた日本の浮世絵にも影響を受け、大量に集めるようになり、
日本への憧れを抱くようになります。

 

 

1888年、ゴッホ35歳、
憧れの日本と南仏アルルを重ね、そこに画家が共同生活を送る理想郷をつくろうと、
アルルへ移住。
加速度的に絵画制作に励みます。
アルルには十数人の画家たちを招待しましたが、到着したのはゴーギャンだけでした。
念願の共同生活が始まりますが、
ゴッホはゴーギャンとの確執の末、自身の左耳を切り取る事件を起こし、
わずか2ヶ月で共同生活は破綻を迎えます。

 

 

1889年、ゴッホ36歳、
アルルに近いサン・レミの療養院に自ら進んで入院します。
発作に苦しみながらも作品への創作意欲は衰えず、絵画制作を続けました。

 

 

1890年、ゴッホ37歳、
5月、発作を繰り返す中、療養院を出て、
パリ郊外オーヴェル・シュル・オワーズに移住。
絵画制作を続けますが、
7月、自らの腹部を銃で撃ち、その2日後、テオに看取られて最期を迎えます。
ここでは、70日間で70枚以上の作品を制作したそうです。

 

 

 

今回、九州国立博物館より、
この展示会に出品された作品の画像をお借りしましたので、
何点かご紹介いたしま~す!

 

 

 

(作品名も記載していますが、
 ちまきの記憶から、手元にある写真なしの資料で照らし合わせて記載していますので、
 事実と違うことがあっても、カンベンしてくださいね~。)

 

 

イメージ 1

 

 

展示会場内の雰囲気です。

 

 

左にある男性の肖像画は、「自画像」(1887年、油彩/厚紙)です。

 

 

一番右端は「秋のポプラ並木」(1884年、油彩/パネルに貼ったキャンヴァス)。

 

 

その左隣にある、明るい色調の作品は「曇り空の下の積み藁」(1890年、油彩/キャンヴァス)。

 

 

ゴッホが画家を志して間もない頃、
素描の重要性を強く意識していた彼は、
巨匠といわれる画家たちの版画や素描を模写して腕を磨きました。

 

 

その素描も多く展示されていましたが、
確かに最初の頃の作品は、お世辞にも上手とはいえなく、
その技術の稚拙さを感じましたが、
何点も観ていくうちに、
どんどん上達していくのが、手に取るように分かりました。

 

 

これは、遠近法を実践するための「パースペクティヴ・フレーム」と呼ばれる道具です(↓)。

 

 

イメージ 2

 

 

素描の訓練に時間を費やし、
貧窮に苦しみながらも教材として多くの版画などを集めたゴッホは、
天才ではなく、とても勉強家だったのですね。

 

 

現代では、基礎を勉強しなくても、
パソコンやソフトというツールの進歩で、本人の努力や才能やセンスは関係なく、
操作を覚えてしまえば素人でもそれっぽいものを簡単に作成することができるけど、
それって、自己満足とか趣味の範ちゅうでしかないし、
本来は、何かを得るためには何かを犠牲にしても仕方ないという姿勢が必要だと思うんだよねえ。

 

 

だから、貧しい生活の中でも、お手本として版画や絵を集めて勉強を続けたゴッホには、
現代のなんちゃって芸術家気取り(お金も時間もかけず努力もせず芸術家を気取る人)に異論ありの
ちまき夫婦は、感心しました。

 

 

今回の展示会では、ゴッホ以外の画家の作品も展示されていました。

 

 

イメージ 3

 

 

一番右端はゴッホの作品ですが、他の作品は違います。

 

 

一番右端、ゴッホ「マルメロ、レモン、梨、葡萄」(1887年、油彩/キャンヴァス)。

 

 

これは、黄色を基調にした同系色で描いてある作品で、
額縁もゴッホが彩色したオリジナルです。

 

 

右から2番目、カミーユ・ピサロ「虹」(1877年)。
右から3番目、クロード・モネ「ヴェトゥイユ」(1879年)。
右から4番目、クロード・モネ「ポール・ドモワの洞窟」(1886年)。
右から5番目、アルフレッド・シスレー「モレのポプラ並木」(1888年)。
一番左端、アルフレッド・シスレー「モレ近くのロワン川の土手」(1892年)。

 

 

いやあ~、ゴッホ展で言うのもなんだけど、やっぱりモネは、美しいねえ。
光を感じるよ・・・うっとり♪♪
本当にため息が出るくらい美しかったです!

 

 

個人的には、モネの作品を観られたのが一番感動したんだけど、
今回のテーマはゴッホなので、ゴッホの作品に戻りま~す。

 

 

イメージ 4

 

 

右端は「種まく人」(1888年、油彩/キャンヴァス)。
画面を木が横切る大胆な構図が、浮世絵に影響されたことを物語っているとのことです。

 

 

その隣のちょっと大きめの作品が「ゴーギャンの椅子」(1888年、油彩/目の粗いジュート布)。

 

 

そして、奥の方には、何かの部屋っぽいものが見えますね~。

 

 

これが、名画といわれる「ひまわり」を生んだ、
黄色の家の、アルルの寝室です。

 

 

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部屋を再現したセットの隣には、それを描いた作品が。

 

 

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「アルルの寝室」(1888年、油彩/キャンヴァス)。

 

 

遠近感を故意にゆがめ、影を消して描いてあります。

 

 

ゴッホは、テオに数多くの手紙を送り、それはきちんと保管されてあったそうですが、
そのほとんどは、金銭の援助を求める内容だったそうです。

 

 

そのテオに対し、作品の進み具合などもゴッホはよく手紙に書いていたそうですが、
「アルルの寝室」に関しては、
安息を描きたかった、これこそが安息の象徴だ、
という内容の文章を書いていて、その手紙も展示されていました。

 

 

ここには画像はありませんが、
ちまきが一番好きだと思ったのは、1886年から1887年に描かれた、花の絵です。

 

 

この頃は、ゴッホがパリで印象派に影響を受けた頃ですね。

 

 

色彩が明るく、構図もしっかりしていて、
努力の末に技術を習得して絵を描くのが楽しかったのではないかと思わせるような作品でした。

 

 

本物の花を見て「綺麗」と思うのと同じように、絵を見て「綺麗」と思いました。

 

 

ゴッホって、画家としての10年間で、
いろんな影響を受けながら作風がどんどん変わるし、
もっと長生きをした人だったら、他にどんな絵を描いたんだろうって、
いろいろ想像をかきたてる、いろんな意味で興味深い人ですね。

 

 

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晩年の名作といわれる「アイリス」(1890年、油彩/キャンヴス)。

 

 

ちまきが好きだと思った、パリでの作品と、まったく違う雰囲気です。
あ、別にこれが好きじゃないとかではなくて、作風が違うの。

 

 

今回の展示会、とにかく観覧する人が多かった~!
会場内でも、人がごった返していて、
作品をゆっくりじっくり観ることができませんでした。

 

 

ゴッホが多くの人を惹きつける理由って何なんだろうねえ。

 

 

ちまきのその素朴な問いに、
この展示会を観ても、答えは見つかりませんでした。

 

 

それこそが、興味を引く理由でもあるのかな。

 

 

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「灰色のフェルト帽の自画像」(1887年、油彩/綿布)。