センチメンタリスト。 | Rat☆Wan劇場!!

センチメンタリスト。

ショートストーリー、かいちゃった♪

話せなくても平気。

他にしなきゃいけないことだってあるんだ、お互い。


私、そんな風に自分に言い聞かせて

胸に感じている痛みに気づかないふりをする。

センチメンタルな気分も、温もりを求めるのもきっと、

3月の冷たい雨のせい。

―――――。

「眠いからもう寝るよ」

「・・・・・・・・わかった・・」

しばらくの沈黙の後、

チャットのウィンドウに表示される「オフライン」

の文字に憂い混じりの吐息が漏れる。

彼が私に付き合って、今週ずっと睡眠不足だったのは知ってる。

私のケータイが充電できない状況が

自分で蒔いた種だって事もわかってる。

それでも。

あと少しでいいから、今夜も彼に甘えていたかった。

ケータイも使えないし、遠距離なんだし、

もう少し付き合ってくれてもいいじゃない。

どうして気づいてくれないの?私から言えるわけないじゃない。

そう思う私はなんて自己中な女なんだろう。

自己嫌悪と孤独感を胸に抱いて、私は布団の中で丸くなった。

 私は昨夜のことをまだ引きずりながらも、

今日の予定を一通りこなして、家に帰ってきた。

パソコンのモニターに映し出されている彼の名前を見て、ため息が出る。

「勉強か・・・邪魔しないでおこう」

口ではそう呟くのに、私の手は欲望に忠実だ。

素早くキーボードを叩き、言葉を綴る。

「ただいま」

「おかえりー」

最後についた「ー」をみて、なんともいえない気持ちになる。

・・・なんだ、私と話さなくても機嫌よさそうじゃん。

少し心配させたくなる乙女心。

再び私の手が心に忠実にタイピングする。

「ふぅ・・・つかれた・・」

「ごめん、勉強に集中してたーぁ」

意図に反して、返ってきた返事にがっかりする。

私の顔から表情が消えていくのがわかった。

どうして語尾を伸ばすのか、私にはその意図が掴めない。

文字は、彼の女性的な部分が強く出るからいやだ。

少しおさまりかけていた昨日の憂鬱が、

再び首をもたげて私を支配する。

「そ。じゃ、またね。」

「あれ、何するの?」

「別に。ご飯食べて適当に何かするけど」

「あれ?話さないの?」

勉強中じゃなかったの?なんて意地悪な考えが頭をよぎる。

今の私はいやな女全開だ。

しかし、手は頭がかけるブレーキを振り切って、心を優先させる。

諦めるしかない、と思った。

こうなったらしばらく自分では止められないんだ、私。

「なんで?」

「だって、、帰ってきたから」

「報告だけ、別に話す用事ないし」

「ん・・・そうか」

何か不服なことでもあるのかしら?

私の心が高飛車な笑みを浮かべる。

早く私の意図に気づけ!早く何かフォローしなさいよ!

あんたのかっこいいとこ見せなさいよ!

「別に、あんたと話さなきゃ寂しいとか、そういうのもないし」

「わかったぁ」

「それじゃ、さよなら」

しまった。と、思ったが遅かった。

私の手は一瞬のうちに

強気な言葉を相手のもとへと送り出してしまい

会話は終了となってしまった。

一旦席を立ち、いらだつ心をごまかすようにして

私は一気に昼食をかきこんだ。

そしてもう一度パソコンの前に座り、この苛立ちを解放する。

「畜生、しんじまえ!」

こんな気分も10分後には晴れてしまうのが私という女で

彼から話し掛けられたらきっと簡単に機嫌が直ってしまうのだろう。

ほら、ここまで書いたら苛立ちもおさまってきた。

この後の展開は問題なくハッピーエンドだよ。ByeBye。