おつかれさまです
会うたびに言われるその言葉。
その言葉しか言わない。
他の元同僚は近くに来て話してくれるのに。
そして、夢にまで出てきてその言葉しか言わない。
間接的に話したくないって意思表示をされた。
かまわないよ、別に。
でもな、話したくないなら挨拶だってするなよ。
オレはあれ以来、あなたを避けてる。
いるのがわかっていても後ろを向いてる隙に回りこんで見つからないようにしたこともある。
中途半端なやさしさは人を傷つける。
もうわかっているだろう。
顔も見たくない。
声も聞きたくない。
だが、約束を破ることは人としてオレの信念が許さないから社交辞令としてその約束の話をふった。
断ってくると思っていた。
話したくないって意思表示をしたくせに、その話には乗ってきた。
どうすりゃいいんだって。
この呪縛から逃れたい。
頼むからもう夢に出てくるな。
忘れさせてくれ。
せめて寝てる間だけは。