退行 | Dark sideからの毒霧

退行

あっさりと、自分の想いが固まる前に砕けた気持ち。

そして気付いたその存在。


久しぶりに見たあの笑顔はどこまでもやさしく、かわいかった。

挨拶とたった一言の会話を交わしただけなのに、すごく和んで、救われた。


誕生日が終わって10分後に奈落に落ち、その日のことはあったのか無かったのかわからない。

オレにはあまりにも複雑すぎてわからなかった。

頭ん中がぐちゃぐちゃだった。


それが一瞬で治った。

治っていたのも一瞬だったけど。


新たな一歩を踏み出してさらに傷を負うのが怖い。

また落ちるのが怖い。

だったら気持ちを戻して諦めて過ごしていればこれ以上落ちることはない。

傷つかないし、期待ももたないでいい。


誕生日のひと月前くらいにはあと少しでって会話があった。

でも、当日もそれを過ぎてもそのことには触れてくれなかった。

そんな程度。

その諦めはオレを強くする。

気が楽だよ。

もう何も気にする必要はないんだ。


昨年末からの約束を叶えられる時期が来た。

乗ってくるとは思ってなかったけど、覚えていてくれてうれしいと言ってくれた。

前回最後にしたはずだけど、想いを戻す以上はこれからも機会があれば出かけたい。


その先に希望も、光もない。

明るい未来は一切見えない。

でも、これ以上暗くなることもない。

なら、楽だ。


そして、来年にはここから去る。

それで、とりあえずここでの歴史は終わり。

そこからはまだ未知だ。

未知のところに今よりすばらしい出会いと光があることを信じて。


後ろ向いたら前には進めない。

でも、前に暗闇しかなくて、それを避けて通れるなら後ろに下がったっていい。

しばらくは後ろ向いて、時が来たらその暗闇を飛び越えて新たな未来へ。

その未来に幸せが有るかどうかはわからないけど。

でも、きっと一筋の希望の光は見えるだろう。

後は、それを掴むだけだ。