思い込みの満足と現実
他人の価値観と、自分の価値観は違う。
頭では理解できていても、実際は自分の価値観を重ねてしまう。
帰り際に誰と最後に話すのか、誰と最後に挨拶するのか。
オレはそれを大事なことと思っている。
最近、帰り際に目を合わせて帰ってくれる。
そこにオレは二人だけの世界を作っている。
ただ彼女がそこに重要性を感じているとは限らない。
二人の世界があるなんて一切思っていないだろう。
たまたま目が合った程度。
それが現実。
だがオレはその別れ際の顔を目に焼き付けて、その二人の世界の雰囲気を心にしまって大事にする。
現実に背を向けて。
興味を持ってもらえていない現実は事あるごとに突き刺さる。
ただ今は、思い込みの満足、虚実の満足だけで充分幸せを感じている。
それを感じられなくなったとき、どうなるのか。
現実的な未来が見えない。
しかし、いつかは冷酷な現実が突きつけられるのだろう。