
蝶「ひろみ!!」
ひ「お蝶夫人・・・」
蝶「素晴らしかったわ。ひろみ!!本当によくやったわ!!」
ひ「ありがとうございます。・・・ボールしか見えなかったなんです。・・・コーチの声しか聞こえな
かったんです。わたし・・こんなにコーチの指示通りに動けたのは初めてです・・・!」
蝶「ひろみ・・・明日からもその調子で頑張るのよ!わたくしたちは強者の子孫よ!!」
ひ「はいっ!!」
蝶「わたくしも午後からの試合に必ず勝つ!そのあとお父様にお電話しよう。宗方コーチにも伝えていた
だこう・・どんなにお喜びになることか・・・!」
ひ「コーチ!おかげんはいかがですか?」
宗「ああ、とても気分が良い」
ひ「そうですか!よかった!あの・・・これ・・・これを・・」
宗「ひよこのテニスボールか?」
ひ「間違えました!これです!」
宗「準優勝メダルか。よくやったな、良い試合だったぞ」
ひ「あ、テレビでご覧になったんですか?」
宗「ニッチーのブログで知った!」
ひ「はぁ?ニッチー?」
宗「いや、生の試合を見た」
ひ「えっ!?じゃ・・アメリカに・・・!?」
宗「あとから行くと言ったろう」
ひ「コーチ!・・コーチ!」
蝶「「ひろみ、ひろみ・・もうすぐ羽田よ」
ひ「は・・・支度しなくちゃ。えーと、メダルはすぐコーチに見せられるように上着のポケッへ・・」
岡造園事務所。家へ帰ったひろみに父から預かり物があると日記を渡された。
宗方日記『1月14日、いよいよ明日だ。今日まで無事過ごせてもはや何も思い残す事は無い。父にも会
えた。藤堂にも話せた。初めておれはこんなにも幸福だったのかと思う。なんと長い間、心が盲目だった
事だろう。一片の恨みも無い。一片の悔いも無い。やっと自由になった。岡、いつでもお前と共にいる。
お前に出会えて嬉しかった!』
『1月15日、一行渡米。岡、エースをねらえ!』
ひ「白紙・・白紙!・・白紙!!・・・・1月15日・・一行渡米・・・・・」
「岡・・・エースをねらえ!」
ひろみは宗方の日記を胸にその場に泣き崩れてしまった。宗方の最後の言葉がいつまでもひろみの頭の中
に渦巻いていた。
ひ「ニッチーって誰?」