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ある日の午後、バンビのお母さんが車にはねられました・・・。

独りぼっちのバンビ・・・。

「ママ?ママ?どうして返事してくれないの?ねぇねぇ、ここにいつまで居るの?」

幼いバンビには、ママがすでに死んでいることが解りません!

「ねぇねぇ?おなか空いちゃったよ~!ママ、食べ物探しに行こうよ」

バンビのママから何の返事が返ってきません。「なにか言ってよ~」

「ママ、ボク食べ物探して来るね!ちょっと待っててね」空腹に耐え切れず、バンビは食べ物を

探すことにしました。

「食べ物ないなぁ~どこに行ったらあるのかなぁ~?ママはいつもボクに食べ物を持って

くれるんだけど・・・」  「一緒に食べようよと言っても、ママはおなかいっぱいだからアナタが全部

食べなさいって言うんだよ・・・」  「ママが食べているところ・・・見たこと無いなぁ」



ママはいつも空腹でフラフラ、道路を渡ろうとした瞬間!!!



バンビの頭にはママのことばかり・・・「ママはお腹空いただろうなぁ」・・・

「お返事あるかなぁ?」バンビのママは、自分の食べ物を幼い我が子に全部与えていました・・・



我が子の成長がママにとって幸せでした・・・。とってもとっても楽しい毎日です。



バンビはとうとう、食べ物が探すことが出来ず、またママのところへやって来ました。

すると・・・人間がママをトラックに運んでいるじゃありませんか!

「ボクのママをどこに連れて行くの?なんで?」でも・・・バンビは人間のところへ近づくことが

出来ません!「バンビ、決して人間のところへ近づいてはダメよ!人間は怖い生き物なんだから!」

そう!バンビの頭の中に、ママの声が蘇りました!「ママ!ボクはこれからどうするの?」

ママと離れ離れになった悲しみがバンビの心にのしかかってきました・・・幼いバンビの目には・・・

ポロポロ流れてきます・・・ちいさな胸がはちきれそうに苦しくなってくる・・・



「バンビ!いつかアナタが独りで生きなくてはならない時が来るでしょう!その時はママともお別れ

なのよ」 「なんで?どうして?」 「それはね、ママはアナタより早く生まれているから、アナタより

早く死んでしまうからなのよ」 「ええっ!絶対ママは死なないよ!ボクとずっといるんだ!」 「バン

ビ?アナタはパパのこと覚えてる?」 「えっ?パパ」 「そう、アナタのパパ」 「小さい時に遠く

から見てた、大きい角の?」 「そう!それがアナタのパパよ!」 「パパのことはあんまり知らないよ

~」 「そうねぇ、アナタのことを面倒みてないわよねぇ~、フフフ」 「パパがなに?」

「パパもね、アナタよりもうちょっと大きくなった時に、独りで生きてきた立派なパパなのよ!」

「ボク、大きくならない!ママと一緒に居る!」 「バンビ?よく聞きなさい!ママはね、アナタが

一人前のシカになる為に辛い思いをしなくてはならないの」 「えええっ?辛い?悲しいってこと?」

「そう!」 「ボクと一緒に居れば悲しくないでしょ?」 「違うの!立派なシカになる為には、独りで

生きていかなくてはならないの、解る?」 「いやだ!ボクはママとずっと一緒に居る!そんな悲しい

こと言わないで!」 「バンビ、ママはどんどん年をとって歩けなくなるわ、そして最後死んでしまう」

「ママは絶対死なない!歩けなくてもボクは一緒に居る!」 「アナタには難しいことかもしれないけど

これから先は、何が起きるかママには解らないわ、でもね聞いてちょうだい!ママが動かなくなった

時は、独りで食べ物を探したり、生きてちょうだい!生き抜くのよ!ママはいつもアナタと一緒!」



バンビは、小さい頃の話を思い出しました・・・そして、ママが居なくなった現実に決意しました。

「そうだ!ママは生きてちょうだい!と言っていた。ボクといつも一緒だと言ってた」・・・

「ボクは立派な鹿になるよ!ママの言っていたことがボクには解ったよ!」

「ボクは独りで生きていかなくてはならない時なんだね」 「ボクはもう泣かない!」

「泣くもんか!」

バンビはトラックが行く方向に歩きだし、そして走りました!「ママにお別れを言わないと!」

「待って!ママに最後のお別れを言いたいんだ!」・・・「ありがとう」って・・・・・・・・

一生懸命力いっぱい走りました!「ママ~~~!」どんどん、トラックに離されてしまいます。

トラックはもう見えなくなり、ふと気がつくと辺りは真っ暗です。「怖いよ~」

どんどん歩いていると、明かりが見えてきました。誘われるように・・・楽しそうな声のする家の前

で・・・


『お母さん!今日ね、かわいいシカを見たんだよ!お父さんとお家に帰る時にトラックを追いかける

小さいシカだよ!』 『まあ!小さいシカが?お母さんと一緒じゃ無かったの?』 『そうなんだ~。

お父さんが言ってたけど、きっとシカのお母さんの後を追いかけていたんじゃないか?だって!』

『そうなの?きっと車にはねられたお母さんを追いかけて居たのね、かわいそうだわ』  『ねっ、

そうでしょ?ボク可哀想だから小さいシカの面倒をみてあげたいなぁ』  『まぁ!独りで寝るのが

怖いっていうアナタが?フフフ』  『えーっ?もうボクは独りで寝るもん!ねぇ、小さいシカの

面倒みたらダメ?』  『そうねぇ?アナタはどう思う?』  『そうだなぁ?でも森に帰っているん

じゃないかな?ボクはかまわないけど』  『やったぁ!』  『まぁ!もう飼うつもりだわフフフ』


そんな楽しそうな声が明かりの点いた家から聞こえてきます・・・バンビには人間の声は理解

出来ません!とうとう立っているチカラも無くなってきて、階段のところに横になりました。

「ママ~ママ~」「ボク寂しいよ~」・・・声を出すチカラも弱くなってきました。「ママ、寒いよ」

バンビにはもう動ける力がありません・・・「ねむたくなっちゃった・・・」


すると・・・イヌの鳴き声が・・・「ワンワン!ワォンワン!」


『まぁ?急に吠えてどうしたのかしら?玄関の方に向かって吠えているわ』  『あなた!』

『うん!ちょっといつもと違うな!様子見てくる』







『おーーーい!みんな!さっき話をした小鹿だーー!』








今では新しい家族と幸せに暮らしています