先週みなさんは何時間の残業をしただろうか?その内、何時間を会社へ申請しただろうか?会社側から見たら、申請されたものは全て「残業代(人件費)」でしかないが、みなさんも常々お感じになられている通り、その中身はさまざまである。
「時間を束縛される」という点において「会議」も重大な犯罪(9/2の記事、『会議』を参照のこと)であるが、“物理的には”「残業」の方がより本当の犯罪に近かったりする。
それでは、今日は「残業」をカテゴライズ、おっと失礼、分類してみますので、明日からの業務の中で周りで残業されている方が、どれに当てはまるのかをチェックしてみて欲しい。ご自分が残業申請されている方はご自分も含めて、残業に関係のない方(経営者や管理職等)は部下の方をチェックすることになる。
【通常残業】
やるべきことをちゃんとやっている善良な社員が、必要に応じて業務時間外に仕事をすること。上司の指示や仕事の振り方が的確であれば、“必要に応じる”必要が無いこともある。
【季節残業】
ご存知の通り、梅雨や台風と同じようなもの。多くの場合、管理者が人事部の指摘に対して「季節的なものですから」と言い訳をする。「季節的にやってくるもの」と思い込まれているため、その季節的業務自体はあまり見直されることが無い。残業した女性社員が業務終了後に中年男性から誘われ、仕方なくお酒に付き合うこともある。付き合った際に割り勘になるとせっかくの残業代が相殺される。
【サービス残業】
前述2種類の残業を行った場合に、上司から(発信元は会社だが)残業時間を制限されているために、仕方なく自分が実際に残業した時間よりも少ない残業時間を申請すること。上司へ「今日はサービスしときましたよっ!」などと言う機会は一切ない。仕事の段取りが良くない上司や会議犯罪を多発させる上司に限って、平気で残業時間を制限してくるので非常に厄介である。
そもそも勤務すること自体が「サービス」なので、正確な名称としては「ボランティア残業」ではないか?
【●生活残業】
ある程度の残業代を確保するために、慢性的且つ故意に業務処理速度を落として仕事をすることにより発生する残業のこと。生活残業者の中では、最初からだいたいの業務終了時刻が決まっている(たいてい19時~20時くらい)。住宅ローンやオートローンを組んだ後に行われるケースが多い。喫煙者の残業もこのケースと思われ、喫煙時間が残業時間から差し引かれることはあまりない。
【●待機残業】
飲み会、デート、スポーツ観戦等の待ち合わせまでに時間があるため、集合時間までの空いた時間を会社で待機するために行う残業。ここで行われる業務は、たいてい翌日でも全く支障がない。善良な社員は、待機時間分の残業を申請しない。最も悪質なのは、業務終了後の「飲みの誘い」を期待して誘って欲しい人の邪魔をしながら残業を行うケースである。残業とは関係がないが、待ち合わせの時間が早い場合は「直帰」が利用される。
【×移管残業】
通常業務時間内に行うことができたはずの仕事を、それとなく時間外に“移管”させることで残業代を発生させる行為。月曜日に行われることが極めて多いが、なぜか金曜日以外毎日行われてる悪質なケースもある。実際は自らの非効率が原因であるにもかかわらず、残業時間中に「あぁ忙しい」というだけで、仕事をしているように見せかけることができる。鈍い管理職者はなかなか気付かない。各社員に1台ずつPCが支給されるようになってから、更に多発するようになった。
【×無残業】
「生活残業」、「待機残業」、「移管残業」の3つを複合的に組み合わせ、通常業務時間内外を問わず、それほど業務を行わないにもかかわらず、上司から制限されている残業時間の上限まで申請して残業代を盗み取る極めて悪質な犯行。残念ながら、上司が見て見ぬ振りをする場合も少なくない。男女問わず30代後半から40代前半の無気力者に多いが、常に偉そうことを言い放つ。多くの場合が周囲の人にはバレバレで、会社側やまともな社員から見た時に、見るも“無残”であることからこう呼ばれる。
以上、『会議』に続き7種類となったが、名称の左側に何も記号が付いていないものは犯罪性ゼロ、「●」の付いているものは厳重注意か執行猶予付き、「×」は残業代を盗み取る立派な重罪である。
「●」や「×」印が付いているものは残業申請している社員側に当然問題があるが、印の付いていない最初の3つについては管理職者(会社側)に問題がある場合が少なくない。会議犯罪と合わせた多重犯罪など、自らの管理に問題があるにもかかわらず、「残業を減らすように」とか「残業は1ヶ月にX時間ね」というようなことを平気で言う管理職者が後を絶たない。
つまり、残業犯罪者はもちろんのこと、「残業犯罪者を放置している上に、自らの管理能力を省みず社員に無駄な仕事をさせ、会議犯罪等で善良な社員の貴重な時間を束縛した挙句、残業に制限を掛ける」管理職者は極刑である。仕事をはじめ、たいていのことには無駄が付きまとうでの、“足し算”ではなく、“引き算”を考えるべきだ。