何で下手なの!?残念すぎるセールスの“相場見通し力”(2) | 証券会社にだまされるな!

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腐り切った大手証券会社の真実を明らかに。

大手証券会社のベテランセールスには、
顧客に役立つ為には必須の能力となる
“経済を見通す力”や“金融についての専門知識”が
備わってるだろうか?
それは高い手数料に見合うものなのだろうか?



驚くかと思うが、残念ながら答えは“NO”だ。


確かに、経済を見通す力はともかく、金融・証券に関する専門知識については、
そこらの素人より格段に詳しいのは事実だ。ただそういう知識を知っていても、
「顧客の役に立つ」という点にあてはまらないという意味で、
上記の質問に対する答えはNO、ということだと思ってほしい。


なぜそうなのか。

キーワードは“手数料が全て”。

大手証券会社の隅々にまで行き渡る
その価値観、その悪習にこそ、
セールスがいつまで経っても「バカのまま」
(=顧客に損だけさせる“ウソつき”のまま)な
ワケがある。


以前の記事で、新入社員の育成について取り上げた。

より詳しいことを言えば、
新人の育成方針はただ一つ、稼げるヤツになれ、これだけだ。

それはもちろん“手数料を稼げるヤツになれ”ということであり、顧客を儲けさせてやれという育成は無い。
入社一年目から、
とにかく手数料が全てと刷り込み、洗脳してゆく。
その“調教”は上っ面ではわかりにくい形になっているが、働いていれば有形無形のプレッシャーで、
繰り返し繰り返し、その価値観を叩き込んで行く。


例えば、支店に出ると
日銭(=その日その日の手数料)に
忙しく追われる上司・先輩の姿を目にし続ける。
高い手数料を稼ぐセールスは当然褒めちぎられ、
逆にできないセールスは徹底的にハラスメントに合う。
本当にダメなセールスは、今のこの時代でさえ
皆の面前で口汚く罵倒され、
学歴から性格や人格に至るまで全否定され、
ヒトとしての価値もないかのような扱いを受け続ける。




余談だが、実際、筆者が勤務していた支店の同期は不幸にもそういう最低の扱いを受け、
最終的に無断でお客さんの口座で
商品の売買をやってしまい、それがバレて
完全に閑職に追いやられた。
日々のきつ過ぎる数字のプレッシャーから、
手数料目当てに顧客無視の違法行為を
やってしまったわけだ。


そのセールスは支店の雑用担当になってしまった。そんな違法行為をしたセールスでも
クビには出来ないし、かといって事務系の社員は掃いて捨てるほどいて
増員するわけにもいかないという理由で、まさしく“飼い殺し”状態に陥ったわけだ。

しかし、そのセールスもセールスで、
「今会社を辞めたらこの不況の折、行くところがないから」とその境遇に甘んじて
いるのだがら、残念としか言いようがない。



話がそれたが、ともかく新入社員のころからそうした上司・先輩の光景を目にし続けると、
いつしか稼げないセールスはクズ、という気持ちに当然なり、
手数料が全てと思うようになる。
(会社の価値観を植え付けるには、最高の育成方法である。)

そして、手数料は顧客を儲けさせたからといって
増えるわけではないのだから、セールスにとっては当然、
顧客の儲けは二の次、三の次になっていく。

「顧客を満足させる」という優先順位は、セールスの中で急速に下がっていくようになっているのだ。


最初からそうだから、
吸収するもの全ては手数料稼ぎの為、
お客さんに役立ちたいという気持ちは捨てる、

というスタンスになり、その刷り込みのまま
“オトナ”になっていくのである。


具体的には、手数料の高い商品にだけ精通するように
なってしまうのだが、そういった商品は
特に高リスクのものが多いので、
勢いどんな顧客にも高いリスクを取らせるようになる。



また、最優先事項は手数料稼ぎなのだから、
相場を当てる能力を伸ばすのでなく、
手数料の高い商品や会社の新商品を
顧客に「相場無視で」買わせようとする
「自己都合のセールストーク力」だけを伸ばして行く。


つまり、セールスは「相場無視で買わせるプロ」(だますプロ)に成長していくのである。


さらには、勤務年数が長ければ長くなるほど、数字のプレッシャーは飛躍的に高まり続ける。
自分の責任となる目標の達成だけでも苦しいのに、
その上“出来るセールス”との高い評価をもらいたければ、当然のごとく、
稼がなければならないという強迫観念の下、
顧客のことなど真に考える余裕もなく、
ただひたすら前へと馬車馬のように
驀進しなければならない。



相場のことでなく、手数料のことばかり考えるものだから、
セールスの目は、
数字のプレッシャーの為にいつも曇っている。
自分の都合のいいように相場を歪曲して見ていて、
それを顧客に伝えるものだから、
もうまぐれにかけてるのと同じようなものだ。




そういう環境で育ったセールスがどうなるか、手に取るようにわかると思う。
ベテランセールスは「儲けさせるベテラン」ではなく、
「手数料稼ぎのベテラン」
という意味なのだ。

それは、まさに
企業に飼い慣らされ、
自分の意思と良心を放棄したサラリーマン、

即ち“社畜”の完成である。



セールスは自分の成績となる手数料のことを第一に考えて当然、という反論もあるだろう。
しかし、顧客の利益とセールスの利益は本来相反するものではないはずだ。


問題は、
インセンティブとなる手数料が「買わせたらハイ終わり」
となっているその顧客軽視システムであり、
それを変えないままできた大手証券セールスの驕りと怠慢である。


セールスの都合のいいように自己正当化してきた結果、
顧客を無視した営業活動しか出来ないセールスが
業界のほとんどを占めるようになり、

顧客を真に儲けさせるノウハウも能力もない
今日の惨状を生み出している。


手数料稼ぎに躍起になり、
顧客に損をさせても何のペナルティもないぬるま湯が、
セールスの運用力をあまりにも稚拙なものにしている。


(もちろん、超優秀な証券セールスは至極まっとうで経済にも詳しく、
手数料も稼ぎながらかつ顧客のことを考えた仕事をしている、と一言申し上げたい。
但し、残念なことに全体のほんの1%未満に過ぎないと思うが。)


より情けなく思うことは、手数料稼ぎの正当化の為に、もっともらしく
「会社は営利組織なのだから」という理由を挙げるバカが証券会社に腐るほどいるということだ。
(特に管理職に!)


しかし、そういう人間たちには、今や誰もが知るようになった多くの本の著者で、
ビジネス界に最も影響力をもつ思想家の以下の言葉を噛み締めて頂きたい。


“企業=営利組織ではない”
“利益は…企業や企業活動にとって、目的ではなく条件である。”
“企業は…欲求を満足させる手段を提供する。”
“マーケティングー顧客の欲求からスタートする。”
“(マーケティングとは)企業に対し、顧客の欲求、現実、価値からスタートせよと要求する”
“企業の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する”

“販売とマーケティングは逆である。”
“(販売は)われわれの製品からスタートしている。われわれの市場を探している。”
“これに対し真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち現実、欲求、価値からスタートする。”
“「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。”
“「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う。”

“基本と原則に反するものは、例外なく破綻する

(上記すべて、P.F.ドラッカー


ドラッカーの言葉を待たずとも、顧客を軽視する企業の道は決まっている。
大手証券は必ず滅びる。


その“滅び方”には様々あり、場合によっては会社の名前が残ることもあるのだろうが、
それでもその前と後では全く違うものとなっているはずだ。