香盒や喰籠が如き大小の

蓋物の総名盒子とぞ云ふ 道舜

 

 香盒と喰籠などは大きさに違いがあっても同じ「盒子」の仲間です。ですから香盒と菓子器は陶磁器と木地・漆器のように反対に用います。

 

 一般的に風炉の時期には木地・漆器の香盒を用い、菓子器には陶磁器のものを用います。逆に炉の時期には陶磁器の香盒を用い、菓子器には漆器を用います。

 

 しかし、どうしても漆器の香盒を炉に使いたければ、菓子器に陶磁器を用いれば良いことになります。その場合のお香は練香を使えなくなります。


 このように「同じ種類の道具は素材の大分類を変えて用いる」ことが大事です。なかなか教わることの少ない規矩ですので、疎かにされがちであることにも注意しましょう!