ものしらで 心得有るを笑うなる

身の恥をこそ 我とあらわす 竹心

 

 先日に引き続き竹心紹智の道歌です。

 

 前回も書きましたが、竹心紹智は藪内流五代家元で、藪内家中興の祖といわれます。

 

 意外と言葉を略する人のようで前回の「意高」のように「ものしら」も略されている訳ですね。

 

 まぁ、これは「ものしらず」ですよね。

 物も知らないのに心得ある人を笑うというのは、身の恥であることを自ずと顕してしまう……ってことですね。

 

 他流の正客にむかって、連客から指摘をする……というのは、自分が恥を掻くということでもありますし、正客に恥を掻かせるというのも問題です。

 

 正客としても連客としても、人前で恥を掻かせず、自分が莫迦になって、尋ねてみるというのがよろしいようで。