渡良瀬遊水地ラムサール条約登録 周辺自治体に温度差 栃木
産経新聞 7月4日(水)7時55分配信

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ラムサール条約への登録が決まった渡良瀬遊水地(埼玉県加須市提供)(写真:産経新聞)
■観光追い風/治水阻害を懸念
栃木、茨城、群馬、埼玉の4県にまたがる渡良瀬遊水地がラムサール条約に新たに登録された3日、遊水地にかかる市町には「遊水地の魅力を生かして地域活性化や観光振興に取り組みたい」などと歓迎ムードが広がった。ただ、反対意見が根強かった栃木市では手放しで喜べない複雑な心境のようで、各市町で微妙な温度差が浮き彫りになった。(野々山暢)
「今日が終わりではなく出発点。遊水地を自然環境のメッカにしていく」。遊水地にかかる小山市の大久保寿夫市長は3日、市立生井公民館(同市生良)で環境省から正式登録の電話報告を受けると、記者会見で強調した。今後は国と協議しながら、エコミュージアムや防災ステーションの建設▽コウノトリやトキが立ち寄れる環境づくり▽トイレや飲食施設など周辺整備-などに取り組むという。
会見に同席した渡良瀬遊水地第2調節池周辺地区治水事業促進連絡協議会の米田弘会長も「歴史的な登録ができて感無量。安心安全を確保しながら渡良瀬のブランドを大きくしていただきたい」と話した。
市は、ルーマニアの首都・ブカレストで行われる新規登録地の認定証授与式に合わせ、7日午後7時から公民館で記念式典を開催する。くす玉や数発の花火を打ち上げる予定で、お祝いムードが高まっている。
一方、遊水地の7割を占める栃木市。環境省からの連絡を受けた鈴木俊美市長は「栃木市の自然環境が国際的に認められたことはよろこばしい」と安堵(あんど)の表情をみせたものの、「ほっとすると同時に複雑な思いもある」と語った。
渡良瀬遊水地はもともとダム機能を果たすために人工的に作られたもので、市内には「治水機能が阻害される」との懸念が根強かった。そうした背景もあり、鈴木市長は「周辺で生活する人にとって遊水地の本来の目的が治水であることを忘れてはならない」と強調した。
市は、周辺整備をしながらウオータースポーツが楽しめる合宿所建設や花火大会などの地域活性化事業を周辺4市2町と連携しながら進めるが、担当者は「単にバンザイというわけにはいかない。登録の意義を地道に市民に伝えなくてはならない」としている。
最終更新:7月4日(水)17時26分
栃木、茨城、群馬、埼玉の4県にまたがる渡良瀬遊水地がラムサール条約に新たに登録された3日、遊水地にかかる市町には「遊水地の魅力を生かして地域活性化や観光振興に取り組みたい」などと歓迎ムードが広がったそうだ。
暗黒の稲妻
産経新聞 7月4日(水)7時55分配信

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ラムサール条約への登録が決まった渡良瀬遊水地(埼玉県加須市提供)(写真:産経新聞)
■観光追い風/治水阻害を懸念
栃木、茨城、群馬、埼玉の4県にまたがる渡良瀬遊水地がラムサール条約に新たに登録された3日、遊水地にかかる市町には「遊水地の魅力を生かして地域活性化や観光振興に取り組みたい」などと歓迎ムードが広がった。ただ、反対意見が根強かった栃木市では手放しで喜べない複雑な心境のようで、各市町で微妙な温度差が浮き彫りになった。(野々山暢)
「今日が終わりではなく出発点。遊水地を自然環境のメッカにしていく」。遊水地にかかる小山市の大久保寿夫市長は3日、市立生井公民館(同市生良)で環境省から正式登録の電話報告を受けると、記者会見で強調した。今後は国と協議しながら、エコミュージアムや防災ステーションの建設▽コウノトリやトキが立ち寄れる環境づくり▽トイレや飲食施設など周辺整備-などに取り組むという。
会見に同席した渡良瀬遊水地第2調節池周辺地区治水事業促進連絡協議会の米田弘会長も「歴史的な登録ができて感無量。安心安全を確保しながら渡良瀬のブランドを大きくしていただきたい」と話した。
市は、ルーマニアの首都・ブカレストで行われる新規登録地の認定証授与式に合わせ、7日午後7時から公民館で記念式典を開催する。くす玉や数発の花火を打ち上げる予定で、お祝いムードが高まっている。
一方、遊水地の7割を占める栃木市。環境省からの連絡を受けた鈴木俊美市長は「栃木市の自然環境が国際的に認められたことはよろこばしい」と安堵(あんど)の表情をみせたものの、「ほっとすると同時に複雑な思いもある」と語った。
渡良瀬遊水地はもともとダム機能を果たすために人工的に作られたもので、市内には「治水機能が阻害される」との懸念が根強かった。そうした背景もあり、鈴木市長は「周辺で生活する人にとって遊水地の本来の目的が治水であることを忘れてはならない」と強調した。
市は、周辺整備をしながらウオータースポーツが楽しめる合宿所建設や花火大会などの地域活性化事業を周辺4市2町と連携しながら進めるが、担当者は「単にバンザイというわけにはいかない。登録の意義を地道に市民に伝えなくてはならない」としている。
最終更新:7月4日(水)17時26分
栃木、茨城、群馬、埼玉の4県にまたがる渡良瀬遊水地がラムサール条約に新たに登録された3日、遊水地にかかる市町には「遊水地の魅力を生かして地域活性化や観光振興に取り組みたい」などと歓迎ムードが広がったそうだ。
暗黒の稲妻