<ギリシャ>新政権の財務相 ストゥルナラス氏が内定
毎日新聞 6月26日(火)21時59分配信

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ギリシャの新財務相に内定したストゥルナラス氏=伊藤智永撮影
 【ジュネーブ伊藤智永】ギリシャ新政権の財務相に26日、同国で最も著名なシンクタンク・経済産業調査財団(IOBE)のストゥルナラス所長(56)が内定した。最初に指名されたラパノス・ナショナル銀行会長の就任辞退を受け、サマラス首相が人選した。

 ストゥルナラス氏は長年、同所長を務める国内では有名なエコノミスト。連立与党の中道左派・全ギリシャ社会主義運動との人脈が厚いが、今回の経済危機への対応ではリベラル派の立場で成長重視の政策を打ち出しており、中道右派・新民主主義党の路線に近い。左右両派の支持を得られる人材として白羽の矢が立ったようだ。

 総選挙1カ月前の4月には、12年のギリシャの成長率が、欧州連合(EU)のマイナス4.7%、国際通貨基金(IMF)のマイナス4.8%を下回るマイナス5%に陥り、失業率も過去最悪だった11年の17.3%を上回る20%に達するという厳しい予測を発表。

 「景気後退から脱出し、経済を成長軌道にのせることが重要なのに、緊縮策を受けた政府の投資支出削減は急激すぎるし、市場競争力を高める措置も適切でない」と政権の政策を批判。民営化を拡充・加速させ、海外からの投資を呼び込むべきだと主張した。

 再選挙中の暫定実務者内閣では、地域開発・競争政策・海運相を務め、新政権の組閣でも全ギリシャが閣内残留を希望していた。

 ストゥルナラス氏は早速26日夜(日本時間27日未明)、術後療養中のサマラス氏の自宅で、連立与党3党首との会談に臨み、緊縮策見直しや毎月赤字が続く財政のやり繰りなどについて協議する。

最終更新:6月27日(水)1時49分

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