<ギリシャ>次期財務相が就任辞退 健康問題を理由に
毎日新聞 6月26日(火)10時23分配信

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ギリシャ財務相就任を辞退したラパノス氏=AP
 【ジュネーブ伊藤智永】ギリシャ新政権の次期財務相に決まっていたラパノス氏(64)が25日、健康問題を理由に就任を辞退し、サマラス首相も了承した。後任は未定。債務危機をかじ取りする新政権の要が不在となる異例の事態になった。

 財務相人事は21日の組閣に先行して真っ先に内定。20日のサマラス首相就任後、連立与党3党首やザニヤス前暫定政権財務相との協議に出席し、業務を始めていたが、22日の議会宣誓式を前に入院。25日に首相宛ての書簡で辞意を表明した。

 ラパノス氏は税制や欧州経済が専門の元学者で、各種政府系経済委員を歴任し、経済協力開発機構(OECD)のギリシャ代表代行を務めた。現在はギリシャ最大手ナショナル銀行の会長。病弱で家族が就任に反対していたが、ロイター通信によると検査で異常はなかったという。

 左派・全ギリシャ社会主義運動の政権に顧問で参画したほか、財政危機に伴う2000億ユーロ(約20兆円)の債務再編で中心的な役割を果たした。連立政権の左右両派から支持される切り札的な存在だったため、政権への打撃は小さくない。

 一方、網膜剥離の手術を受けたサマラス首相(61)は25日、眼帯を付けて退院し、自宅で1週間静養する。電話で執務するという。28、29日の欧州連合(EU)首脳会議はパプリアス大統領やアブラモプロス外相らが代理出席するが、新政権はスタートでトップ2人が不在となる。サマラス氏は後で、他の連立2党首と共にブリュッセルのEU本部を訪れる予定だ。

 新政権の政策方針を確かめるEU・国際通貨基金(IMF)幹部らのギリシャ入りは、7月2日以降にずれ込む。停止中のEUからの融資再開を決める調査は、7月下旬以降になる見通しだ。

最終更新:6月26日(火)11時5分

いきなり?
なんか前途多難だけど頑張ってほしいものだ。

暗黒の稲妻