ヤクルトVSダノン 混沌の株主総会、TOBの実現性は五分五分か
フジサンケイ ビジネスアイ 6月19日(火)8時15分配信

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ヤクルト本社の株主構成(写真:フジサンケイビジネスアイ)
出資比率の引き上げをめぐる仏食品大手のダノンとヤクルト本社の攻防が、一つの山場を迎える。都内で20日開かれるヤクルトの株主総会で、発行済み株式の約20%を持つ筆頭株主のダノンがどう出るのか。ダノンは事前に株主提案をしておらず、拒否を貫くヤクルト側の姿勢を見極める考えとされるものの、株式公開買い付け(TOB)の可能性が取り沙汰されるだけに、総会では安定株主の動向も焦点の一つになりそうだ。
【写真】「ヤクルト」販売に陰り、社内の危機感… 「ヤクルト400」ヒットのワケ
「自主独立の理念は変えることなく、出資比率も現状維持のまま年末には決着する。イメージダウンにつながるTOBに踏み切るはずがない」。ヤクルト首脳は楽観的に話すものの、交渉の行方は予断を許さない。
全国に広がるヤクルトの販売会社109社の中には、本社経営陣の方針に批判的な関係者が少なからずいるとされ、一定数のヤクルト株を保有する販社がダノンの求めに応じ、株を売却する可能性もささやかれる。さらにTOBでダノンが高めの買い付け価格を提示すれば、外国人株主や国内の個人株主が応じる展開も否定できない。大手証券のアナリストは「TOBの実現性は五分五分」とみる。
ダノンによるヤクルト株の買い取りは、1999年末ごろに始まった。ヤクルトは当時、経営陣のデリバティブ(金融派生商品)取引による巨額損失が発覚。株価の急落を狙った形で、ダノンは市場などを通じて2000年までに約5%を取得、03年には出資比率は約20%に達し、ヤクルトに戦略的な提携を迫った。
協議は難航したものの04年3月、海外での販売協力や、乳酸菌など人体に有益な微生物「プロバイオティクス」の共同研究で提携し、5年間は出資比率を引き上げないことで合意。07年5月には期限を今年5月まで延長する「休戦協定」を結んだ。
関係者によると、ダノンは今年に入り、両社間の取り決めに沿って株を35%まで買い増す考えを打診。しかし3分の1以上を握れば経営の重要議案を否決できるため、ヤクルトは拒否。比率を28%にとどめる妥協案も受け入れなかったとされる。
「持ち株比率の増加は望んでいない。(株の買い増しが)あった場合は、自主独立の見地から提携関係の維持が困難になる」。5月15日の期限日を4日後に控えた11日、決算発表の席上でヤクルトの川端美博副社長はダノン側を強く牽制(けんせい)した。
株買い増しの交渉は11月までの半年間と設定されたもようで、ダノンは「友好関係を維持しながら時間をかけて説得していきたい」(広報担当者)との構えをみせる。一方、ヤクルト側には1999年以降のダノンによる株取得は「不意打ち」との意識が強いこともあり、両社の主張は平行線をたどっている。
ダノンがヤクルトにこだわるのは、地盤とする欧州の成長が少子高齢化もあって先細りで、新興国やアジアでの需要取り込みを急いでいるからだ。ダノンはヨーグルトや乳酸菌飲料などを世界で展開し、2011年の売上高は前年比7.8%増の193億1800万ユーロ(約1兆9400億円)と世界トップクラス。ただ、この15年余りで欧州の売上高比率は約80%から40%未満へと半減し、全体の半分以上を新興国とアジア・オセアニアが占める。
ダノンは米製薬大手ファイザーのベビーフード部門の買収に乗り出したものの、4月下旬、スイスの食品大手ネスレに競り負けたことが明らかになった。中国などでも地元メーカーとの価格競争で苦戦しており、海外戦略の見直しを迫られている。
ダノンにとって、ヤクルトが持つ乳酸菌の基礎技術と、事業所や住宅を訪ねる「ヤクルトレディ」制度は魅力的な存在だ。地域に浸透するヤクルトの販売網を自社製品の販路として活用したい思惑が見え隠れする。
今後の交渉は「法的にはダノンが有利」(金融関係者)との見方が支配的だ。「35%までの株買い増しが可能」とした両社間の取り決めの存在は重い。
ダノンのターゲットとみられるのは、株の9%程度を持つとみられる外国人株主と、「中興の祖」とされるヤクルト元社長、松園尚巳氏の資産管理団体で6.55%を持つ第2位株主の松尚(神奈川県藤沢市)。そしてヤクルトの販売会社などだ。販社を会員とする持株会の「共進会」は2.44%を保有する。
松尚は現時点での株売却を否定する。ただ、ヤクルト本社よりも先行して設立されたケースが多い全国の販社は独立心が強く、一枚岩ではない。株主総会後もにらみながら両社の攻防は水面下で激しさを増している。(金谷かおり、藤沢志穂子)
最終更新:6月19日(火)15時28分
気になるのはもし仮にダノンのTOB成立ならば、スワローズはどのなるのだろう。
暗黒の稲妻
フジサンケイ ビジネスアイ 6月19日(火)8時15分配信

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ヤクルト本社の株主構成(写真:フジサンケイビジネスアイ)
出資比率の引き上げをめぐる仏食品大手のダノンとヤクルト本社の攻防が、一つの山場を迎える。都内で20日開かれるヤクルトの株主総会で、発行済み株式の約20%を持つ筆頭株主のダノンがどう出るのか。ダノンは事前に株主提案をしておらず、拒否を貫くヤクルト側の姿勢を見極める考えとされるものの、株式公開買い付け(TOB)の可能性が取り沙汰されるだけに、総会では安定株主の動向も焦点の一つになりそうだ。
【写真】「ヤクルト」販売に陰り、社内の危機感… 「ヤクルト400」ヒットのワケ
「自主独立の理念は変えることなく、出資比率も現状維持のまま年末には決着する。イメージダウンにつながるTOBに踏み切るはずがない」。ヤクルト首脳は楽観的に話すものの、交渉の行方は予断を許さない。
全国に広がるヤクルトの販売会社109社の中には、本社経営陣の方針に批判的な関係者が少なからずいるとされ、一定数のヤクルト株を保有する販社がダノンの求めに応じ、株を売却する可能性もささやかれる。さらにTOBでダノンが高めの買い付け価格を提示すれば、外国人株主や国内の個人株主が応じる展開も否定できない。大手証券のアナリストは「TOBの実現性は五分五分」とみる。
ダノンによるヤクルト株の買い取りは、1999年末ごろに始まった。ヤクルトは当時、経営陣のデリバティブ(金融派生商品)取引による巨額損失が発覚。株価の急落を狙った形で、ダノンは市場などを通じて2000年までに約5%を取得、03年には出資比率は約20%に達し、ヤクルトに戦略的な提携を迫った。
協議は難航したものの04年3月、海外での販売協力や、乳酸菌など人体に有益な微生物「プロバイオティクス」の共同研究で提携し、5年間は出資比率を引き上げないことで合意。07年5月には期限を今年5月まで延長する「休戦協定」を結んだ。
関係者によると、ダノンは今年に入り、両社間の取り決めに沿って株を35%まで買い増す考えを打診。しかし3分の1以上を握れば経営の重要議案を否決できるため、ヤクルトは拒否。比率を28%にとどめる妥協案も受け入れなかったとされる。
「持ち株比率の増加は望んでいない。(株の買い増しが)あった場合は、自主独立の見地から提携関係の維持が困難になる」。5月15日の期限日を4日後に控えた11日、決算発表の席上でヤクルトの川端美博副社長はダノン側を強く牽制(けんせい)した。
株買い増しの交渉は11月までの半年間と設定されたもようで、ダノンは「友好関係を維持しながら時間をかけて説得していきたい」(広報担当者)との構えをみせる。一方、ヤクルト側には1999年以降のダノンによる株取得は「不意打ち」との意識が強いこともあり、両社の主張は平行線をたどっている。
ダノンがヤクルトにこだわるのは、地盤とする欧州の成長が少子高齢化もあって先細りで、新興国やアジアでの需要取り込みを急いでいるからだ。ダノンはヨーグルトや乳酸菌飲料などを世界で展開し、2011年の売上高は前年比7.8%増の193億1800万ユーロ(約1兆9400億円)と世界トップクラス。ただ、この15年余りで欧州の売上高比率は約80%から40%未満へと半減し、全体の半分以上を新興国とアジア・オセアニアが占める。
ダノンは米製薬大手ファイザーのベビーフード部門の買収に乗り出したものの、4月下旬、スイスの食品大手ネスレに競り負けたことが明らかになった。中国などでも地元メーカーとの価格競争で苦戦しており、海外戦略の見直しを迫られている。
ダノンにとって、ヤクルトが持つ乳酸菌の基礎技術と、事業所や住宅を訪ねる「ヤクルトレディ」制度は魅力的な存在だ。地域に浸透するヤクルトの販売網を自社製品の販路として活用したい思惑が見え隠れする。
今後の交渉は「法的にはダノンが有利」(金融関係者)との見方が支配的だ。「35%までの株買い増しが可能」とした両社間の取り決めの存在は重い。
ダノンのターゲットとみられるのは、株の9%程度を持つとみられる外国人株主と、「中興の祖」とされるヤクルト元社長、松園尚巳氏の資産管理団体で6.55%を持つ第2位株主の松尚(神奈川県藤沢市)。そしてヤクルトの販売会社などだ。販社を会員とする持株会の「共進会」は2.44%を保有する。
松尚は現時点での株売却を否定する。ただ、ヤクルト本社よりも先行して設立されたケースが多い全国の販社は独立心が強く、一枚岩ではない。株主総会後もにらみながら両社の攻防は水面下で激しさを増している。(金谷かおり、藤沢志穂子)
最終更新:6月19日(火)15時28分
気になるのはもし仮にダノンのTOB成立ならば、スワローズはどのなるのだろう。
暗黒の稲妻